唯川恵

「あら。新さま、もう起きたの?」
 女が身体を摺り寄せてくる。
「ああ」
 いつも思う。朝に見る色町の女の顔ほど憂鬱なものはない。

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1 Response to 唯川恵

  1. shinichi says:

    逢魔

    by 唯川恵

    あの匂い、あの指使いが私の身体を熱くする――。古典とエロスを融合させた愛欲の全八話。

    抱かれたい。触れられたい。早くあなたに私を満たして欲しい――。身分の違いで仲を裂かれ、命を落としたはずの女との、蕩(とろ)けるほどに甘く激しい交わり。殿様の側室と女中が密かにたがいを慰め合う、快楽と恍惚の果て。淫らな欲望と嫉妬に惑い、魔性の者と化した高貴な女の告白。牡丹燈籠、雨月物語、四谷怪談、源氏物語……古の物語に濃厚なエロティシズムを注ぎ描き出した、八つの愛欲の地獄。

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