廣野卓

Himiko日本人の祖先はどんな物を食べていたか? 「邪馬台国の食卓」を飾った料理とは? 仁徳、文武、長屋王など古代天皇家の晩餐とは? 木簡などからその食世界を覗いてみると、焼肉、鴨、蒸し鶏、スッポン、アワビ、エビ、カニ、煮物、チーズ、サラダ、そして美酒や甘味……新鮮で豊かな医食同源のメニューが浮かび上がってきた。卑弥呼に捧げたご馳走、大和王朝の宮廷料理、遣魏使の弁当など「古代の食卓」が今、蘇る。

卑弥呼や倭の諸王は、後漢から三国志時代にかけて、大陸や朝鮮半島へ盛んに使節を派遣しています。こうした機会に、古代中国の食文化が倭国にもたらされ、食文化に影響を与えたことは否めません。
奈良県桜井市の纒向遺跡からモモの種が二〇〇〇個余、弓や木製品とともに出土しました。いずれも呪術に用いられた品々です。さらに、獣骨・魚骨やドングリ類、酒づくりの材料ニワトコの実なども出土して、卑弥呼の食の姿が、おぼろ気ながら見えてきました。

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