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地震は「プレート型地震」と「直下型地震」の大きく2つに分類される。地球を覆うプレートとプレートがぶつかる境界面で生じる「プレート型地震」は地震の規模を示すマグニチュード(M)が大きく、震源が沖合のことが多いため津波が発生する危険性が高い。
一方、プレート内部のひずみから生じるのが「直下型地震」だ。プレート型よりマグニチュードは小さくなるが震源域が陸上であるため、被害が甚大になることが多い。
そして3.11以降、最も危険が叫ばれるのが、首都圏を震源とする直下型地震「首都直下型地震」だ。昨年1月に東京大学地震研究所の研究チームが「M7級の首都直下型地震が今後4年以内に約70%の確率で発生する」と警告したことで、さらに関心は高まっている。
政府は現在、震源地が異なる18タイプの首都直下型地震を想定している。なかでも、被害が大きいとされるのが東京ディズニーリゾート付近の荒川河口を震源域とする想定M7.3、最大震度6強の「東京湾北部地震」だ。
国の中央防災会議は最悪のシナリオとして、秒速15mの強い風が吹く冬の午後6時に発生した場合の被害を想定。それによると、地震の被害は都県を越えて広い範囲にわたり、荒川沿いを中心に多くの建物が倒壊。また古い住宅街に密集する木造建物が猛火に包まれるという。倒壊・火災合わせて85万棟が壊滅、死者約1万1000人、負傷者21万人と予想され、約700万人が避難し、うち約460万人が避難所生活を送ることになるという。
しかも最新の調査によって、昨年、想定震度は6強から7に引き上げられた。わずか1段階の違いと侮ることはできない。武蔵野学院大学の島村英紀特任教授(地震学)は「地震の脅威は格段に増した」と指摘する。
「震度6強から7になると、建物の全壊率が3~4倍も上がります。東京湾北部地震の被害予想を震度7で新たに試算すると、建物の全壊は震度6強の倍の30万棟に及び、1万人以上の人が倒壊した建物に挟まれて即死すると考えられます。火災の被害も少なくとも倍以上になるでしょう」
何とも恐ろしい話だが、3.11後、直下型地震の切迫度は増す一方だという。
「東日本大震災を発生させたプレートのゆがみが現在も周囲にじわじわと広がっています。しかも首都圏は東側に太平洋プレート、西側にフィリピン海プレートがあり、ゆがみの逃げ場がない。蓄積されたエネルギーを解消するため、直下型地震が起きやすい状況が続いています」(前出・島村特任教授)

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