中村廣

古い社寺仏閣を昔の姿のまま正確に復元するのが伝承。現在の技術も取り入れて、良い意味で改善したのが伝統と呼ぶのでは、と私は思う。
古民家を再生する際、伝承するだけならかなりの工事費がかかる。しかし現在の技術で省力化することにより、コストがダウンすることは誤ってはいないと思う。古民家の古い大黒柱・梁に新しい白木のフローリングは新鮮であって相性は悪くない。

美しい人は年をとっても美しい。表面ばかりきれいな人は年をとればきたなくなってしまう。建築も同様のことがいえる。例えば昔から土蔵の壁などに使われている漆喰がある。永年経つにつれ風合いが増す美しい材料である。
一方、最近盛んに使われているタイル柄・石柄のセメント系のサイディングはどうだろう。セメント板にタイル風の凸凹をつけて科学塗装してある。メーカーの塗装保障期間は10年となっている。10年以上過ぎて再塗装してもきれいな状態には戻れない。
私自身もサイディングを使わない訳ではない。セメント板はセメント板らしさを表現すれば良い。変なイミテーションはやめた方がよいのではと言いたい。

2 thoughts on “中村廣

  1. shinichi Post author

    (sk)

    中村廣の「考えること」が、正しいとか、間違っているとか、良いとか、悪いとか、そういうことは問題ではない。考え続けることが、考え続けていくことが、大事なのだ。

    時が経てば、考えも、そしてこだわりも、変わるだろう。それでも考え続ける。それが気持ちのよい空間をもたらす。。。かもしれない。

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