>Tanemo

>今回考えておきたいのは、米国が原子爆弾を投下するに至ったほんとうの理由のことである。
先にのべた、戦争を終結させるため云々は、やはり真実を大衆に覆い隠すための口実に過ぎないと考える。当然、その他にもなにか別の理由があったに違いなかろうう、と。
それはおそらく以下の二つで、
まずは、対ソ連戦略である。当時の米国にとって最大の脅威はソ連であった。そうしてそれに対抗できる最も有効な手段が核を保有すること。しかし核兵器の実験データをいくら誇示してみせたところで、相手に与える脅威は極めて希薄であるに違いない。つまり米国は、広島・長崎でその実績を作ることで、ソ連に対し圧倒的優位に立とうとしたのである。
もうひとつは、これは大変恐ろしいことであるが、おそらく事実である。原爆の人体実験。
米国は事前に行なった実験(ニューメキシコ州アラモゴードのトリニティ実験場で1945年7月16日実施)で、原爆の破壊力の凄まじさを目の当たりにしたが、これはあくまでも建物や測定器、実験動物から得られた結果に過ぎなかった。しかし実戦において原爆が標的とするのは生身の人体に他ならないのである。もっとも恐ろしいのは、彼らが手中に収めた、世界を滅亡させることすら可能な悪魔の火、彼らはこれを実際の生きた人間に使ってみたくて仕方がなかったのだ。

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