>Jacob Grimm, Wilhelm Grimm

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ハンスは修業を終えて故郷に帰ろうとします。長年まじめに働いたご褒美として、師匠から重い黄金の玉を渡され、出発します。玉を担いだまましばらく歩くと、馬に乗った人に出会います。
「その玉はだいぶ重そうだなぁ。こっちの馬と交換してみないか。乗ったまま古里に帰れるぜ。」
ちょうど汗をかきはじめていたハンスは「願ったりかなったり」と思い、喜んで交換することにしましたが、しばらく進むと、今度は牛を連れた人に会います。
「馬もいいが、牛なら乳を搾れるから、チーズもバターも作れるよ」
ハンスはまた納得し馬を牛と交換します。しばらく進むと今度は豚をつれている百姓に出会います。
「その牛よりも、この豚はたくさん子も生むし、肉はうまいぞ。まぁ、交換してやろう。」
ハンスは再三交換して、そのたびに得した気分になります。最後は大きな砥石を持った男に会います。古里はもうすぐそこです。
「お前、家に帰ったら、これで刃物を研いだら、いい商売になるよ。楽して暮らして行けるよ」
重い砥石を運びながら、道を歩きますと、そこに井戸がありました。砥石をその縁に起き、水を飲もうとしたときです。ハンスは石を井戸の中に落としてしまいます。
しかし、重い石をなくしたハンスはほっとし、軽くなった身で、すぐ近くの親の家に向かって走り出します。とても幸せそうに。

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