4 thoughts on “楽園計画

  1. shinichi Post author

    アマゾンのカスタマーレビュー

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    新生「武雄市図書館」のプラス面が語られている一方、マイナス面については触れられていない
    by Tanishi (星2つ)

    佐賀県の武雄市が、その市立図書館の管理者としてカルチュア・コンビニエンス・クラブを指名し、管理・運営を委託した.この「武雄市図書館」再構築プロジェクト発足の経緯や、実際にプロジェクトに携わった人々,新生の「武雄市図書館」の職員,ユーザーへのインタビュー記事から成る.

    新生「武雄市図書館」の特徴は,1)開館時間の拡大,2)開架されている書籍の割合増と雑誌の種類の拡大,3)自動貸出機を利用する場合のポイント付与,4)カフェと新刊書店の併設,5)読者目線での書籍配架など.

    本の力による町興しの例として,長野県高遠市,福島県只見町,山形県川西町,群馬県南牧町,英国ヘイ・オン・ワイが紹介されている.また,図書館の歴史(一部の限られた人々のための図書館から、一般庶民のための図書館への進歩)や美術系大学図書館の例などが語られている.

    町興しという観点から,新生「武雄市図書館」のプラス面が語られている一方、マイナス面については触れられていない.例えば,新生に伴う、図書館員の処遇の問題,所蔵図書をカフェでも読む事が出来るのだが、本の汚損は無いのか?などは触れておくべきだろう.雑誌の拡充は結構だが,図書館として備えるべき基幹図書の予算が確保されているのか?も気になる.その辺も書いて欲しかった.

    本書は,比較的大判の写真を多用しているが内容的にそこまで大きくする意味はないと感じる.またその写真の上に活字を被せている頁が目につくが,印刷用紙がザラザラした触感で写真の鮮明性を損ねると同時に読みづらくしている.結局,写真の内容,紙質の点から、大型写真を使用する必要は無く,書籍サイズとしてもA5版に出来たのではないかと思える.

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    「図書館」と「書店」の違いを考える事例として参考になる
    by ふくちゃん (星1つ)
    Amazon.co.jpで購入済み
    新しいものを入れたいという熱意は分るが、図書館とは何かをしっかりと検討しないまま、書店の営業を図書館機能と混同してしまったことが残念である。しかし、そのことを正直に記述している点で、ある意味、意義のある出版だと思った。樋渡市長と増田社長の出会いが「代官山蔦屋書店」であり、図書館ではなかったという点がポイントである。

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    ファッション雑誌じゃないの?
    By Toyama0811 (星1つ)
    Amazon.co.jpで購入済み
    町おこしを語る新商売。写真集ですよね。ツタヤさん、スタバさんが、図書館を経営し、公務員を削減する時代は理解できる。だが、街並みの全体像なしに、消費構造の分析なしに物事は定着しない。流行をおえば、流行に超えられる。不易流行、この要素の煮詰めがなさすぎ。

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    「本のある空間」が大好きな人へ
    by 菅原陽一 (星5つ)

     TSUTAYAが図書館の指定管理者になるという話を聞いて、その時はなんだかあまり好ましくない感じがしました。私が住む地方都市にもTSUTAYAはありますが、売っている本は雑誌や常備品ばかりで書店としてのおもしろさはどこにもなく、狭い旧街道の渋滞を作り出す(そして客層もヤンキーっぽい人が多い)「文化」とは程遠い存在です。
     しかし、この本を読んで、ああ、TSUTAYAやそれを取り巻く人々の中には、ちゃんと「本のある空間」が大好きな人がいるんだなと思いました。図書館の指定管理者制度で私の家の近くの図書館も民間が入ってだいぶ変わりました。帰り際に「ありがとうございました」と挨拶までしてくれます。こっちが無料で借りているのでむしろありがとうと言いたいくらいなのですが…(若干の違和感)。しかし、どこかカビ臭い書庫のような感覚は抜けきれないのです。その理由は、本書を読んでわかりました。
     図書館も書店も「本のある空間」です。そこをどうしていくか。貸し出すのと売るのは一見違う話に聞こえますが、「本のある空間」があって、「本が大好きな人」が集まることに違いはありません。蔵書数や棚作り、店内外の環境、従業員の働きなど、多くの図書館で(書店も)再構築していく時期に差し掛かっているのではないでしょうか。
     多くの図書館員さん、書店員さん、そして「本のある空間」が大好きな人にこの本を読んでもらいたいです。読んで思った「!」を、ちょっとずつ持ち寄れば、私たちが大好きな図書館がもっと魅力的になっていくと思います。そんなわけで、近所の図書館にこの本を寄贈したいと思います。

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  2. shinichi Post author

    霞ヶ関官僚が読む本 武雄市図書館と「知の広場」への挑戦 社会に開かれた「公共」の在り方とは

    http://news.livedoor.com/article/detail/7741426/

    公共図書館の話題が全国ニュースになることは珍しい。この4月(2013年)にリニューアル・オープンした佐賀県の武雄市図書館はその例外だ。『図書館が街を創る。「武雄市図書館」という挑戦』(楽園計画編 ネコ・パブリッシング 2013年)は、「知の広場」をめざし、公共図書館の在り方にイノベーションを起こそうとする関係者の熱い想いのつまった本だ。「公共図書館=無料貸本屋」からの脱却を目指す新たな流れをそこに見つけることができる。

    同じく4月には、有川浩氏の『図書館戦争』(角川文庫 2011年)が映画化された。ベストセラー作家が、「図書館の自由に関する宣言」という、国民の知る権利を守り抜くために図書館関係者が戦後決議した宣言に着想を得て執筆された魅力的な物語だ。また、最近第2巻も出た、図書館を描く『夜明けの図書館』(埜納タオ著、双葉社 2011年)は、心温まる秀作漫画だ。

    しかし、武雄市の試みが、「図書館戦争」の敵役にまでみたてられ、司書、従来の図書館関係者や一部のメディアから、激しいバッシングを受け続けるのはどうしてなのだろうか。

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