>藤沢数希

>日本で労働者に月30万円の給料を払って洋服を作っていた会社が日本の工場を閉鎖して、中国で月1万円の給料で洋服を作ってそれを日本に輸入して売るわけです。だから、日本で高い給料を貰っていた人は失業して、逆に中国で仕事がなかった人に職がもたらされるのです。しかし、中国の労働者がどんどん豊かになっていき月1万円では働いてくれなくなって、逆に日本の失業者が例えば月10万円でも働きたいと思いはじめます。そして洋服を作る人の給料が中国でも日本でも月5万円ぐらいに落ち着くのです。このように同一労働同一賃金の圧力が世界中のあらゆる労働者にかかっているのです。
グローバリゼーションによって、先進国の単純労働者の賃金が急速に低下していくのです。しかし、このことは悪いことではありません。もともと何の努力もせずにただ先進国に生まれたと言うだけの人間に贅沢をさせ、たまたま途上国に生まれてチャンスのない人間に貧しい暮らしを強いる方がよっぽどおかしな話なのです。グローバリゼーションは既得権益を破壊する力を内包しているのです。

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