スノーボード・ハーフパイプ男子で2人の十代男子が銀と銅のメダルを獲得する快挙を成し遂げた。一方で、金メダルへの高い期待が寄せられていた女子ノーマルヒルの高梨沙羅選手は4位に終わり、メダルを逃した。
オリンピックで金メダル獲得の結果が出ないと、議論になるのが「強化にかかった費用」の問題だ。憲法学者の竹田恒泰氏は8日から9日にかけて、日本代表選手の競技後の態度と絡めてツイートしている。
「日本は国費を使って選手を送り出しています(中略)成果が出せなくて、いい思い出になりましたなどとは、絶対に言わない」
竹田氏は、日本オリンピック委員会会長の息子。日ごろからメダル獲得の強いプレッシャーをかけられている父親を援護する発言だった可能性もある。
これを機にネット上でも、代表選手と国費についての議論が白熱。「金(メダル)が獲れなかったら国民に謝るべき」といった賛同の声がある一方で、
「国費ゆうて大して出てないんだわ」
「選手は国益のために競技をしていない」
といった批判の声もある。
元陸上日本代表の為末大氏は日刊スポーツの記事で、メダルを獲れなかった選手への批判に対し不快感をあらわにする。メダル獲得に関して「日本はかなり不利な状況にいる」として、「お金はないがメダルは獲れ」という精神論が蔓延しているのではと指摘する。つまり、
「(1)足りないリソース(資源)を気持ちで補わせる」
「(2)全体的問題を個人の努力に押し付ける」
ということであり、これは「ブラック企業を想像してしまう」としている。
科学者の松本公平氏の試算によると、北京オリンピックにおける日本の強化予算は25億円程度で、ドイツ(約270億円)イタリア(約250億円)アメリカ合衆国(約170億円)に遠く及ばなかった。
一方で、北京五輪では移動について、選手はエコノミークラスなのに、役員はビジネスクラスを使っていたことが批判された。偉い人ばかりが良い思いをして、若い選手たちの頑張りに費用がかけられていないなら「ブラック企業的」との批判も当てはまるかもしれない。
「お金はないがメダル獲れ」はブラック企業 為末氏の「精神論」批判が話題
ニコニコニュース
http://news.nicovideo.jp/watch/nw948144
北京オリンピック 選手強化予算
中国 120億円
アメリカ 165億円
イギリス 120億円
ドイツ 274億円
韓国 106億円
日本 25億円
(sk)
「スノーボード・ハーフパイプ男子で2人の十代男子が銀と銅のメダルを獲得する快挙を成し遂げた」のは、「国費」のおかげなんかではなく、「レッドブル」のおかげと、なぜ誰も言わないのだろう。
21世紀に19世紀的国家主義を信じているメンタリティーといい、皇族の末席を汚す自分を平民と分けて考えるそのあつかましさといい、自分を国家だと思っているその思考回路といい、竹田恒泰という人はなんとも不思議な存在だ。