岩波新書編集部

八月十五日の盗人(山藤章二)
荷車のしたで(角野栄子)
ぼんやりと考えたこと(阿刀田高)
コーリャンの海苔巻き(石毛直道)
戦争より、もっと怖いもの(楳図かずお)
桜の樹にハンモックをつって(田部井淳子)
松の根を求めて山奥へ(筑紫哲也)
大広間に響いた笑い声(扇千景)
疎開先で学んだ「貧しさ」と「豊かさ」(児玉清)
佐渡の記憶(葛西敬之)

      
      
8-15
橋をかける―子供時代の読書の思い出―(抄)(皇后 美智子)
浅間山で自爆した航空兵(永六輔)
戦争――その記憶と本質(中村敦夫)
祖父の予想(山川静夫)
兄の残してくれたもの(湯川れい子)
丸のいない日(河島英昭)
三人の死者のために(東郷克美)
子どもはどこへ行ってしまったのか(梁石日)
人生を支配した恐怖のドラマ(柳田邦男)
まっかな葉鶏頭(赤瀬川原平)
「不変なものはない」からこそ(宮内義彦)
堕ちた偶像(下重暁子)
軍国少年の「転向」?(安丸良夫)
藪蚊と玉音放送(河野洋平)
明るい食卓の喜び(中村桂子)
青い空、白い歯(佐野洋子)
ヒキアゲシャ(別役実)
ソウルでの一九四五年八月十五日(原ひろ子)
しずかな敗戦(高橋悠治)
きれぎれの記憶(十川信介)
カンバスで作ったグローブ(小澤征爾)
ぼくは、黄色い人間だった(大林宣彦)
軽井沢・オジャンギリさん・チューインガム(池内輝雄)

3 thoughts on “岩波新書編集部

  1. shinichi Post author

     1945年8月15日の敗戦から今年で60年になります。未曾有の悲惨な戦争を体験した子どもたちは、この日をどのように迎えたのでしょうか。当時四歳から12歳だった国民学校世代33名の方々に、60年前という遠い日の記憶をたどりながら、ご執筆いただきました。

     育ち盛りゆえに強かった「食」への関心、慣れない疎開先での生活、肉親を失った深い悲しみ、異国で迎えた敗戦、アメリカによってもたらされた異文化など、8月15日前後の日々のことが生きいきと綴られていて、貴重な記録になっていると感じました。

     戦後60年という節目の年に、戦争の実態を伝えるものができないかという意図から企画したものですが、どのようにお読みいただけるでしょうか。感想をお寄せいただければ幸いです。

    (本書「はじめに」より 新書編集部 平田賢一)

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