筆洗

三秒ルールとは地面にうっかり落とした食べ物でも、三秒以内に拾えば、食べても大丈夫という言い伝えのようなものである。
一九六〇年代には既に存在していた。若い人も知っているので今も通用しているようだ。
落として雑菌が付いたかもしれないが、もったいない、食べたい。この葛藤を解決するため、虫のいいルールができたのか。米国では「五秒ルール」というそうだ。科学的に正しいという研究もあるそうで、日本より「二秒」甘い。
この企業はいったい何秒ルールなのか。中国・上海の米系食肉加工会社が使用期限を半年ほど過ぎた鶏肉を供給していた問題。健康被害は報告されていないが、日本にも製品が入っており、気分は悪い。
この問題に限らず、加工食品には何が含まれるのか分かりにくい。価格の安いモノには国の基準を満たしているとはいえ、添加物が含まれるし、残念ながら、期限切れ肉が混ざる危険も否定できない。その半面、安価で手軽な加工食品が家事、家計の負担を軽くしていることもまた事実である。
「食は何を優先するかの問題です。価格や手軽さか、身体のことか」。『食品の裏側』の著者、安部司さんはこう指摘する。事件には腹が立つし、中国側の善処を期待するが、われわれがすべきことは加工食品を購入する前に考えること。何をいったい優先するのか。それこそ三秒でいいから。

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