2 thoughts on “三井明子

  1. shinichi Post author

    コピーライター, クリエイティブ・ディレクター:三井明子

    アート・ディレクター:高井 薫

    デザイナー:引地摩理子 / 星野哲也

    フォトグラファー:瀧本幹也

    プロデューサー:岸良真奈美 / 大場彩子 / 根津 勉

    **

    (キスをしたわたしをスキ?)

    テデナデナデナデテ
    「手でナデナデ撫でて」

    ぬくもりをもとめて

    スキノシルシノキス
    「スキのしるしのキス」

    愛をたしかめあった。

    サイゴノコイサ
    「最後の恋さ」

    きもちが高まり

    キスヲシタワタシヲスキ
    「キスをしたわたしをスキ?」

    ふたりは寄り添った。

    MERRY CHRISTMAS FROM VIVRE

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  2. shinichi Post author

    物語のある広告コピーの舞台裏[第13回](キスをしたわたしをスキ?)

    http://pie.co.jp/cc/copy13.html

    回文メッセージカードは、こうして生まれた

    2012年春から一年間、店内ポスターや店頭に置くメッセージカードなど、ファッションビルVIVREの広告プロモーションを手がけた、コピーライターの三井明子さん。最後を締めくくる冬には、回文をベースとしたメッセージカードも完成させた。

    「もともとはビジュアルをシンメトリーにしよう、というアイディアから始まったんです。それならコピーもシンメトリーに、という流れで回文をつくることになりました。なんとかなると安易に考えていたら、そこからはもう、地獄です(笑)。回文って、本来は遊びなのに、泣きながら少しでもいい文章ができるようにひたすら試していきました」

    約一か月の回文地獄(?)を経て、できあがったコピーが冒頭のメッセージカードだ。

    「本を読みながらつくり方やルールを学んで、パズルのようにいろんな組み合わせを試して…たとえば「キス」と「スキ」を対にすると決めると、そこからいくつかできたり。苦しみながらもたくさん書いて提案した結果、メッセージカード用に4種類が選ばれました」

    コピーライター三井明子は、こうして生まれた

    Mitsui「身内に広告代理店のADがいたんです。だから、広告やCMが周りの子供より身近だったのかもしれません」

    そう語る三井さんは、中学生になると「美大に行きたい」と思うようになり、芸術科のある高校へ進んだ。しかし、志望していた美大に落ちてしまう。

    「結局美術の短大に行くことになりました。でも、そこでまた新たな挫折が(笑)。私、デッサンとかクラスでほぼビリだったんです」

    当時「広告批評」という月刊誌を愛読していた三井さんは、そこでコピーライターへの思いを強める。

    「美術の才能がなくても、広告の制作ができる!」と思って、あるコピーライターの方に就職相談に行きました。でも、そこで、「いきなりコピーライターになるより、まずは広告以外の仕事で世の中のことを知ったほうがいいコピーが書ける」と言われ、あっさり諦めました(笑)。そして中学校の美術の先生へ。自分でつくらず人に教える職業ですし(笑)」

    ここから三井さんは、美術の先生→コピーライター→職業訓練生→コピーライターと、劇的な転身を遂げる。

    美術の先生
    「数学や英語など他の教科と違って、数値で評価がしにくいので通知表をつけるのがとってもたいへんでした。がんばってもうまく描けない生徒がいたり、家で両親に描いてもらってしまう生徒がいたり(笑)」

    コピーライター
    「美術の先生の後、派遣の事務に転職してコピーライター養成講座に通って、やっとのことで制作会社に採用していただきました。最初はコピーがまったく採用されなくて、体力的にも精神的にもたいへんでした」

    職業訓練生
    「これには2つ理由があって、ひとつは訓練校にいる間就職を先延ばしできる、という甘い考えです(笑)。もうひとつは、美術の学校に行ってたんだから、金属のアーティストになろう、と友だちが誘ってくれて。でも一時の逃避から目指したアーティストがうまくいくわけがありませんでした(笑)」

    コピーライター
    「化粧品会社の宣伝部コピーライターの募集広告を見つけて、応募してみたんです。制作会社時代に化粧品のコピーを担当していたことがきっかけでした」

    心で感じるコピーは、こうして生まれる

    現在はアサツー ディ・ケイのクリエイティブ・ディレクター兼コピーライターとして活躍する三井さん。彼女の書くコピーの多くはしゃべり言葉風であったり、エッセイ調であったり。カジュアルで読みやすく、心にすっと入ってくるのが特徴だ。

    「昔から純文学より、コラムとかエッセイが好きでした。そういった文章が、しぜんとコピーのお手本になっているのかもしれません」

    「幼いころから川崎徹さんのナンセンスCMや、歌詞に魅力のある邦楽が大好きで…音声での言葉に魅力を感じるのかも。なので広告だと、グラフィック(ポスターなど)よりラジオやテレビCMの方が得意かもしれません。それらを応用してグラフィックをつくっているイメージです」

    最後に、休日の過ごし方を教えてくれた。

    「お芝居やコンサートなど、誘っていただくと必ず行くようにしています。い
    ままで興味がなかったり、苦手意識があったものほど、刺激を受けるというか…発想や表現を広げてくれる気がします。それに、意外なんですけど、「自分の好みとはちょっと違うな」と感じたものほど、何か閃いたりもするんですよ(笑)だから上演中もメモが欠かせないんです(笑)」

    多くの人が演技や音色にうっとりと酔いしれる中、「あのコピー、こうした方がいいかも」とメモを取る三井さん。まるで歌詞のように口ずさみたくなるVIVRE、オンワードなどの広告コピーは、ナンセンスCMに慣れ親しみ、様々な職業を経験してきた彼女だからこそ書けたコピーなのだろう。

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