須田夏野, 田中幹子, 伊藤武彦, 白髭克彦

体の形づくりの過程では、適切な場所で、適切な量の細胞が増殖したり、分化したり、あるいは死んだりすることで、器官や組織が正しい形につくられる。細胞が自主的に死ぬ “細胞死”は、発生過程でおこる重要な現象の一つであり、様々な器官や組織の形成過程でみられる。特に四肢の発生過程では、手首や指の間で細胞死がおこることが知られており、細胞死の数が少ない場合には指の間に水かきができる。このよく知られた現象がどのようなメカニズムによって制御されているのかという問題については、細胞死をおこす領域に特異的に発現している BMP が関与していることはわかっていたが、BMP シグナルから細胞死がどのように実行されるのかについてはわかっていなかった。
Cellそこで、BMP シグナルと細胞死をつなぐ因子の候補として、ほかの器官の形成過程で BMP シグナルに制御されており、かつ、細胞死や細胞増殖などに関わる複数の遺伝子を標的にすることが知られていた AP-1 転写因子 MafBに着目し、四肢の細胞が生きるべきか、死ぬべきかの運命を制御する仕組みを解明した。
(上)MafB (緑)のヘテロ二量体(異なる二種のタンパクの結合体)のパートナーが cJun (青)であった時は、p63 や p73 といった細胞死を促進する遺伝子(紫)の発現が活性化され、細胞は死ぬ運命に導かれる。
(下)MafB (緑)の二量体パートナーが cFos (橙)で あった場合は、細胞は生きる運命に導かれる。
また、MafB、cJun、cFos 遺伝子のうち、細胞死がおこる領域に特異的であった MafB 遺伝子の発現が BMP シグナルによって制御されていることも見出した。

2 thoughts on “須田夏野, 田中幹子, 伊藤武彦, 白髭克彦

  1. shinichi Post author

    アポトーシス(細胞死)

    ナオルコム

    http://www.naoru.com/apoto-sisu.htm

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    2014年、東京工業大学の田中幹子准教授らは、動物の手足ができる発生過程で起こる細胞死のメカニズムを、ニワトリで実験することによって突き止めた。

    人間でも発生初期には指の間に水かきがあるが、やがて消えることが知られている。

    研究チームは、ニワトリの受精卵から手足ができる際に、細胞死が起こる場所に存在する「AP-1」というタンパク質群に着目。

    神経系の細胞死や細胞増殖に関わるタンパク質で、ニワトリには41種類ある。

    くわしく調べると、「MafB」「cjun」「cFos」という3種類の細胞死に関係していた。

    「MafB」は他の2つとそれぞれペアとなって働き、細胞死を引き起こしたり、逆に細胞死を抑えて部位を残していた。

    人間にも、AP-1の仲間が50種類以上あることが知られている。

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    アポトーシス=「細胞の自然死」(自発死)

    あらかじめプログラムされた細胞死のこと。植物の落ち葉、胎児の指の形成、ガン細胞の死滅・・・・。無関係に見えるこれらの現象に共通しているのが、細胞が自滅するように死んでしまうアポトーシスだ。生命が生きるためには、死んでもらわなければいけない細胞がある。たとえば、ウイルスに感染した細胞、ガン細胞、自己の対する抗体を持ってしまった細胞などを、そのまま放置すると、逆に我々の生命が危うくなる。このような細胞は、自らプログラムを起動し、自殺し、他に被害を及ぼさないようにする自己犠牲が必要になる。

    アポトーシスの対象には、たとえば、オタマジャクシの尾がある。カエルになるときにはオタマジャクシの尾は不要になる。

    プログラム細胞死(アポトーシス)をコントロールする中枢をミトコンドリアが担っている

    バクテリアに寿命はない。
    バクテリアは無限に分裂を繰り返す能力があり、外部からの影響がない限り、死ぬことがない。

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    コントロールされた細胞の消去(ギリシャ語でアポトーシス)

    地球に生命が誕生して20億年経過したころ、有性生殖する生物が誕生。有性生殖ではオスとメスの遺伝子がランダムに組み合わされる。その中には不具合な組み合わせも誕生する。それを排除するシステムとして、アポローシスが生まれた。

    キズを持った固体が生存しつづけると「種」が維持できなくなる恐れがある。

    そこで、細胞の1つひとつに死をプログラムした。

    生まれたときに、すでに、細胞の1つひとつに2種類の酵素が組み込まれている。活性酸素などで細胞が傷つくと、酵素の1種類が細胞骨格を切断。もう種類が細胞核に入りDNAを切断する。刻まれたDNAは細かく鳴り小さな袋状(アポトーシス小体)になって細胞内に集まる。それをマクロファージなどが貪食する。そして1日に3000億個の細胞がアポトーシスで自発的に死んでいる。

    DHAを細胞の外へ出さないことで、全体の組織を維持している。

    有性生殖しない細菌などには死はプログラムされていない。

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