日刊ゲンダイ

ブログやSNSなど、ネットサービスは日々の生活に欠かせないものになってきた。しかし、生きている時は便利でも死んだ後が厄介。ネット関係の“遺産”はちょっとした悩みのタネになる。
サービスを提供する業者の多くは、ユーザーが死んだ時のことを想定していない。遺族が本人のアカウントから死去のお知らせをしたいとか、アカウントを閉鎖したいと考えるのは自然だが、そのために業者から故人のIDやパスワードを聞くのは至難の業だ。
最近は通帳やカードを発行せず、やりとりはネットだけという銀行もある。こうなると遺族が口座の存在にすら気づかなかったりする。
死ぬ当人が気がかりなのは、住所録やメール、画像や映像を他人に見られることだろう。
いざというとき遺族に苦労をかけないためにも、生前から対策を。

One thought on “日刊ゲンダイ

  1. shinichi Post author

    携帯データやSNSは? 死ぬ前にできる「ネット遺産対策」

    日刊ゲンダイ

    http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/157068

     ブログやSNSなど、ネットサービスは日々の生活に欠かせないものになってきた。しかし、生きている時は便利でも死んだ後が厄介。ネット関係の“遺産”はちょっとした悩みのタネになる。

    「SNSなどのサービスを提供する業者の多くは、ユーザーが死んだ時のことを想定していません。遺族が本人のSNSアカウントから死去のお知らせをしたいとか、アカウントを閉鎖したいと考えるのは自然ですが、そのために業者から故人のIDやパスワードを聞くのは至難の業です」

     こう言うのは、死とインターネットの関係に詳しいフリーライターの古田雄介氏だ。

     それでも日本の業者であれば、事情を伝えれば開示してもらえるが、ツイッターのように海外の業者が相手だと、本社の担当者と英語でやりとりしなければならず、ハードルが高い。

    「たとえばツイッターで誰かへの恨みを書き連ね自殺したケースでは、他者をなじった言葉がネット上に残されたままになってしまう。闘病ブログをやっていた人が亡くなって、そのコメント欄が風俗広告などの迷惑投稿で埋め尽くされたりすることも。遺族にとってはつらいケースになります」(古田氏)

     一部では、こうしたトラブルを防ぐサービスもある。グーグルは、3カ月以上操作がなければアカウントを自動的に削除されるように設定が可能。利用する場合は、本人が生前に設定しておく必要がある。また、フェイスブックは、家族や友人が「死亡申請」を送信することで、本人のアカウントに他者がコメントを投稿できないように凍結することもできる。

    ■ポイントサービスは引き継げない

     では、ネット上のポイントサービスなどの“遺産”はどうなるのか。

    「楽天エディは、個別ケースで対応すると言っており、ANAマイレージサービスは遺族への引き継ぎを可能と明言しています。しかし、それ以外、大抵は、ポイントの“相続”を想定していません」(古田氏)

     最近は通帳やカードを発行せず、やりとりはネットだけという銀行もある。こうなると遺族が口座の存在にすら気づかなかったりする。

     さらに怖いのは、FXや先物取引などのネット取引だ。

    「購入した銘柄が死後に放置され暴落したり、多額の債務が残されたままになっているケースもある。それが遺産相続後に発覚すると、遺族に莫大な負担がかかりかねません」(古田氏)

     SNSのパスワードもネット口座も、本人が生前に遺族へのメモなどを残しておくのが、最も有効なトラブル対策だ。

    ■携帯電話やPCのデータは?

     一方、死ぬ当人が気がかりなのは、携帯電話の住所録やメール、パソコン(PC)の中の画像を他人に見られることだろう。

    「ちょっと知識がある人なら、パスワードがかかっていても、PCからデータを吸い出せます。本人が事故などで急死した場合、遺族だけではなく職場の同僚が“本人が手がけていた仕事を引き継がなければ”と、遺族に頼んでPCの中身を見せてもらうこともある」(古田氏)

     さも仕事関係のようなフォルダー名にしてごまかしている人は、遺族や同僚に一発でエロ画像を発見されてしまう恐れは強い。見られたくないデータは、分かりにくいフォルダー名で分かりにくい場所に保存すべきだ。

    「その上で、“僕が死んだら……”という無料の遺言ソフトを使う。インストールすると、デスクトップに“僕が死んだら……”というアイコンが表示されます。自分の死後、遺族がPCを開けば思わずクリックしてしまう仕組み。すると事前に用意しておいた遺言メッセージが表示され、遺族がそれを読んでいる間に指定したファイルを自動的に削除してくれるというものです」(古田氏)

     携帯電話の場合、パスワードをかけておくだけで比較的安全だ。携帯キャリアーでは、遺族が携帯を引き継いで使うための手続きが可能だが、その場合、携帯本体は初期化される。

     いざというとき遺族に苦労をかけないためにも、生前から対策を。

    Reply

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *