近藤大介

気になったので百度(バイドゥ)で「跳楼(飛び降り自殺)」と検索をかけてみたら、636万件もヒットした。本当に株価暴落の影響で、中国各地で「跳楼」が発生しているのだ。
こうしたニュースには必ず、「そのニュースはガセである」というニュースがくっついてくる。
湖南省長沙市に住む32歳の侯氏は、6月10日夜に、信用取引で170万元の大損をこいて、22階の自宅マンションから飛び降り自殺した。この一件は、株暴落による「跳楼第一号」として、ニュースで大きく取り上げられた。ところがその後、この侯氏の父親がインタビューに答え、「まったく事実と異なる」と否定しているというニュースが流れたのである。
はて、どちらが真実なのか? 北京のメディア関係者に微信で聞いてみたら、すぐに返信が来た。
「誰かが『跳楼』したというニュースが出るたびに、中国共産党が否定のニュースを流させているんだよ。共産党から『指導』が入れば、どんなメディアだろうが従わざるを得ない。つまり否定のニュースが出たということは、もとのニュースが真実だったということさ」
中国のニュースは、奥が深い。

One thought on “近藤大介

  1. shinichi Post author

    株価大暴落でついに危険水域!
    安保法制に揺れる安倍政権に、「中国発の大津波」への備えはあるか

    by 近藤大介

    http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44129

    インテリたちは、今回の暴落を「習近平暴落」と呼ぶ。なぜなら、今回の大暴落が始まったのは6月15日、習近平主席の62回目の誕生日だったからだ。「中国の夢」というのが、習近平政権のキャッチフレーズだが、それが「中国の悪夢」になってしまったのだった。

    しかも今回の大暴落は、「6度目の習近平暴落」なのだという。1回目は2007年10月に、経済オンチと見られていた習近平上海市党委書記が、胡錦濤主席の後継者となることが確定した時だった。それまで過去最高値の6429ポイントを付けていた上海証券指数は、一気に暴落した。

    2回目の暴落は、2012年11月に、第18回中国共産党大会で習近平総書記が誕生した時で、「ウルトラ・レッドライン」と言われた2000ポイントを割り込んでしまった。

    3回目は、翌2013年3月に習近平総書記の国家主席就任を決める全国人民代表大会が開かれた前日で、3.65%の大暴落。4回目が同年6月の習近平主席60歳の誕生日。5回目が、同年11月に「3中全会」(中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議)で、習近平政権の今後の政策発表を行った翌日だった。

    確かに「習近平主席の重要イベント」のたびに暴落している。だから「市場が習近平主席を経済オンチの指導者と判断して嫌っている」と言われると、否定できないのである。

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