佐賀県武雄市や神奈川県海老名市では、ツタヤ図書館の運営手法が問題になっています。
- 手が届かない本棚。飲み物を買わないと使えない閲覧席。商業施設のために「飾り」にされてしまった図書館。
- 整理が行き届かず、必要な本が見つからない本棚
- 店舗の接客に忙しく、図書館利用者に対応する余裕がないスタッフ
- 商業施設化されたため、生徒の下校時の立ち寄りが禁止
武雄市で行われた、地域資料や映像資料の破棄や、系列の新古書店等からの在庫を蔵書として購入した問題はメディアでも報道されましたが、 地元だけにしかない地域資料を破棄することや、図書館の蔵書構成の考慮もせずに本を選んだり、海老名市で行ったように、本ですらない「メガネふき」や「タジン鍋」を、書店で流通しているからと言って選ぶことは、図書館を運営するノウハウを持つ会社であれば考えられないことです。
武雄市では、公共図書館を商業施設に作り替えることで、初年度は珍しさもあって、来場者数が大きく増加しました。しかし一方で、貸出を受ける利用者の率、平均冊数ともに大きく減少しています。統計は、商業施設は成功し、図書館の魅力は低下したことを示していますが、商業施設が物珍しさで集客ができるのは短期間のことです。図書館は長い時間を掛けて市民と共に成長していく施設ではないでしょうか。
小牧市に市民のための図書館を
by 前田勝之(@keikuma)
https://www.nantoka.com/~kei/libkomaki/
10月4日(日)に、小牧市新図書館計画に関する住民投票が行われます。
なぜ今、「新図書館計画」の住民投票が行われるのでしょうか?
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なぜ今小牧市で、「新図書館計画」の住民投票が行われるのでしょうか?
「現在の図書館建設計画」は、この基本計画を離れ、「ツタヤ図書館」のための計画になってしまっているのではないかという懸念が生じています。
このため、「現在の図書館建設計画」を白紙に戻し、本来の「新小牧市立図書館」の建設を求めて、住民投票が行われることになりました。
ツタヤ図書館の問題
佐賀県武雄市や神奈川県海老名市では、ツタヤ図書館の運営手法が問題になっています。
手が届かない本棚。飲み物を買わないと使えない閲覧席。商業施設のために「飾り」にされてしまった図書館。
整理が行き届かず、必要な本が見つからない本棚
店舗の接客に忙しく、図書館利用者に対応する余裕がないスタッフ
商業施設化されたため、生徒の下校時の立ち寄りが禁止
武雄市で行われた、地域資料や映像資料の破棄や、系列の新古書店等からの在庫を蔵書として購入した問題はメディアでも報道されましたが、 地元だけにしかない地域資料を破棄することや、図書館の蔵書構成の考慮もせずに本を選んだり、海老名市で行ったように、本ですらない「メガネふき」や「タジン鍋」を、書店で流通しているからと言って選ぶことは、図書館を運営するノウハウを持つ会社であれば考えられないことです。
武雄市では、公共図書館を商業施設に作り替えることで、初年度は珍しさもあって、来場者数が大きく増加しました。しかし一方で、貸出を受ける利用者の率、平均冊数ともに大きく減少しています。統計は、商業施設は成功し、図書館の魅力は低下したことを示していますが、商業施設が物珍しさで集客ができるのは短期間のことです。図書館は長い時間を掛けて市民と共に成長していく施設ではないでしょうか。
小牧市での市民への説明
平成19年から市民の声を取り入れながら策定されてきた新小牧市立図書館建設基本計画と全く異なる形に方向転換した「現在の新図書館建設計画」。これは、市民の皆さんにどの様に説明されてきたのでしょうか。
この提案によって、武雄市と同様に、他地域からの観光客を呼び込み「小牧駅周辺の賑わい創出につなげる」ことを主目的とした図書館に大きく方針を変更することになりました。
「賑わい創出」を狙った図書館は、全国に数多くありますが、地域の利用者の継続的な利用による賑わいでなく、観光客を呼び込むこと狙った施設にすると、市民が利用する図書館とは性質が大きく異なった施設になります。実際、武雄市では、視察客への対応のために市民の利用が犠牲にされる。混雑のために市民がゆっくり図書館を利用できない。中高生の図書館の利用ができなくなると言った問題が発生しています。
一方で、観光客のための施設としては、滞在時間のほとんどをこの施設で過ごし、飲食・お土産までが完結するために、周辺の商業施設にお金が落ちないばかりか、以前から営業していた店舗は顧客が流れて経営難に陥るという、税金を使って地元の事業者の経営を圧迫する状況まで生じさせています。
「市民のための施設」を作るのか、それとも「観光客のための施設」を作るのか。これは大きな方針の違いですが、小牧市はどの様な図書館になるのかを十分に明らかにしてきていません。
添付の画像は、情報公開請求によって開示を受けた「現在の新図書館建設計画」の提案書の一部です。どの様な図書館ができるのか、どの様に賑わい創出がなされるのか、肝心な部分が全て墨塗りされています。
小牧市は、どの様な図書館ができるか分からない「現在の新図書館建設計画」に賛成を求めています。
住民投票にむけて
10月4日(日)に行われる住民投票。この様なことを考えてみてはいかがでしょうか。
市民のための図書館を
市民との対話を積み重ねて作り上げられた、新小牧市立図書館建設基本計画では、「みんなの情報と交流のひろば」として「市民みんなのための図書館」が作られるはずでした。「現在の図書館計画」は、この計画と異なった方向に進んでいませんか?
ツタヤにお任せで大丈夫?
ツタヤを運営するCCCは、図書館運営の経験を十分に持たない企業です。佐賀県武雄市では地域資料を廃棄して、新古書店から今となっては、実用にならない実用書を購入して問題となりました。同じ問題が、神奈川県海老名市でも明らかになりました。
武雄市では、図書館運営の経験を持たない企業が、商業施設としての見かけを優先して設計した本棚や配置が、図書館としての機能を損なっています。
みんなで作る図書館に
せっかくの新図書館建設です。どんな図書館を作ろうとしているかを市民に明かさずに賛成を求め、計画が進められることで、市民の思いと異なる施設が作られることになっては残念です。
市当局が、ツタヤの言いなりではなく、市民に情報を公開し、意見交換を求めることを通じて、ツタヤのためでなく市民のための図書館が作られることを願っています。
「ツタヤ図書館」に人気も不安も 初導入した佐賀では…
by 滝沢隆史、松下和彦、諸星晃一
http://www.asahi.com/articles/ASH9X43LFH9XOIPE00X.html
「ツタヤ図書館」の賛否を問う愛知県小牧市の住民投票が4日、投開票される。全国に広がりつつある同図書館の現状はどうなっているのか。2013年、第1号がオープンした佐賀県武雄市に足を運んだ。
天井まで届きそうな5メートル近い書棚にぎっしり詰まった本。吹き抜けの館内にはカフェを併設し、ジャズやクラシックが流れる。雑誌をめくりながらゆったりコーヒーを楽しむ来館者も。4カ月の乳児を抱いた主婦(41)は、隣の多久市から車で30分かけて月3回は来る。「静まり返った公立図書館とは違い、幼い子どもと一緒でも気兼ねなく利用できる雰囲気が好き」。地元の図書館からは足が遠のいたという。
武雄市図書館は、小牧市の新図書館計画と同様、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者として運営する。従来の公立図書館とは違い、雑誌の販売や夜9時までの開館などが特徴だ。全国だれでも本を借りることができ、宅配便(500円)で返却もできる。
直営だった時より、図書館部分の延べ床面積を改装して1・4倍に広げた。開架の本は2倍の20万冊に増やし、休館日もなくした。武雄市によると、同じサービスを提供した場合、年間の見込み運営費は2億1千万円。CCCに書籍の販売やレンタルなどを認めることで指定管理料は1億1千万円にとどまったという。
市の予想を上回る来館者があった。人口5万人の武雄市に13年度は92万3千人が訪れ、14年度も80万人を超えた。週末は1日4千人も来る。利用者の半数が市外や県外からで、駐車場には福岡や長崎などの他県ナンバーが並ぶ。市は宿泊や食事、土産品など、市内の年間の経済効果を約20億円とはじく。
市教育委員会の担当者は「予想を上回り、リピーターが増えた。20~40代の本の貸し出しが3倍に増え、図書館が若者と行政とを結ぶ接点になっている」と胸を張る。
ただ、新しい図書館の形に疑問を感じる市民もいる。直営図書館に戻すことを求めている市民団体の井上一夫さん(75)は「図書館部分は奥に追いやられた。書棚も見栄えはいいが、高すぎて本が取れない。商業的な発想が前面に出ている」と批判する。
「TSUTAYA図書館」建設めぐり住民投票 愛知県小牧市で10月4日投開票
by 安藤健二
The Huffington Post
http://www.huffingtonpost.jp/2015/09/28/tsutaya-libraly-referendum_n_8206330.html
レンタル大手「TSUTAYA」と連携した市立図書館建設計画の是非を問う住民投票が9月27日、愛知県小牧市で告示された。10月4日に投開票の予定。朝日新聞デジタルなどが報じた。
小牧市は図書館の老朽化を受けて、既存の商業施設内に新規開設するとしていたが、2014年になって計画を変更。「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の助言を受けて、名鉄小牧駅近くに建設するとの新計画を発表した。「TSUTAYA図書館」として話題を呼んだ佐賀県武雄市の図書館と同様に、書店やカフェを併設するもので、建設費は42億円で2018年の開館を目指している。
しかし、市民の間に「図書館の質を落としかねない」などと反対論が広がり、署名を集めた市民団体が8月、住民投票実施条例の制定を山下史守朗(やました・しずお)市長に直接請求した。市長提出の条例案は市議会で否決されたが、これとは別に議員提出の条例が可決され成立した。条例は市長や市議会が投票結果を尊重するよう規定している。
市民団体「小牧の図書館を考える会」(渡辺育代共同代表)のメンバーは市街地でビラを配り「市民の意見を聞かない計画に反対しよう」と訴えた。一方、山下市長は「議論を尽くした計画と考えているが、良い案があれば固執しない」と話す。
有志が「なぜ今、『新図書館計画』の住民投票なのか」というチラシをブログで公開するなど、地域を超えた議論を呼んでいる。
TSUTAYA図書館に続々と発覚した「選書問題」
「TSUTAYA図書館」は、CCCが指定管理者となる公立図書館の通称。2013年4月にリニューアルした「武雄市図書館・歴史資料館」を皮切りに、2015年4月からは神奈川県の海老名市立中央図書館も、CCCが指定管理者になった。宮城県の多賀城市立図書館でも、2016年3月のJR多賀城駅前の移転を機にCCCが管理を担うようになる。
トップバッターとなった武雄市図書館では初年度は市内外から92万人が来館。同市では経済効果が20億円あったという試算を発表、全国的に注目を集めた。しかし、リニューアル時にCCCが購入した図書1万冊に古い実用書などが多数含まれている問題が発覚した。
この問題の報道が相次いだことを受け、CCCは9月10日、「より精度の高い選書を行うべき点があった事を反省しております」と異例のコメントを発表した。
海老名市立中央図書館も10月1日にリニューアルオープンを控えているが、新たに蔵書になる予定の1万冊の選書リストに古い雑誌や、選定基準の対象外と思われる書籍が含まれていたため批判が集中。海老名市教育委員会の伊藤文康教育長は9月18日、「一時凍結して、選書をやり直す」と答弁、市民に疑念を持たれたことについて謝罪した。
武雄市と海老名市で発覚した蔵書問題が、小牧市の住民投票の行方を左右するのか注目される。
現在の新図書館建設計画に関する住民投票について
小牧市
http://www.city.komaki.aichi.jp/shogaigakushu/library/010859.html
小牧市の住民投票によせて CCC図書館を持つ一市民から #公設ツタヤ問題
武雄市民日記
http://pochipochi1111.hatenablog.com/entry/2015/09/26/115552
ども、ぽちです。生きてました。
いよいよ来週は小牧市の図書館建設計画の是非を問う住民投票ですね。
ここに来て賛成派、反対派双方の活動も活発になる中、気になる話も聞きます。
図書館本来の問題ではなく、為政者の是非を問う代理戦争のような様相になっているとか、そのような話。
確かに、武雄では最終的に為政者の問題になりました。
しかし武雄市図書館の例があったからこそ、CCC図書館問題の本質が見えてきたとも言えると思いますし、小牧市の皆様や他の自治体の皆様には賛成反対関係なく、ぜひ共通する問題として引き続き考えていただきたいと思うのです。
というとこらへんで参考となるページはこちら。
小牧市に市民のための図書館を https://www.nantoka.com/~kei/libkomaki/ #小牧市住民投票
『小牧市に市民のための図書館を』公開にあたりkeikuma氏が考えたこと #公設ツタヤ問題 #小牧市立図書館 – Togetterまとめ http://togetter.com/li/878652
チラシはこちら todotan.com/blogdata/komak…
セブンイレブンでプリントできます ネットプリント予約番号 74006170
さて。
そうは言ったものの、どうも総論というのは抽象的でわかりにくい、っていう意見も分かります。自分がそうでしたもん。
と言うか、ぶっちゃけ、そもそも僕は武雄市図書館が問題になった際にはほとんど問題意識を持っていなかった一人であります。
なので、未だに僕に図書館を語る資格はない、との思いもあり、図書館問題の本質についてはツイッターでもほとんど触れておりません。
ただ、武雄市図書館がリニューアルしてどうなったか、という現状は、一市民としてつぶやいていってます。これは実は苦痛な作業で気を使います。それは武雄固有の問題です(いまだ前市長の影響は色濃く残っており、なかなかアンチと声高に言えません。反抗して現実の仕事や生活に差し支えるようなことになった方を何人も見ていますから怖いのですよ。実生活と紐付けられないように、個人情報や個人を特定するのに役立つと思われることには極力言及しないようにやるんです)。
そんな僕が、瞬間的に沸騰して上げたツイートがこちら。
小学生のデータをまとめて提供? #武雄市図書館 は小学生ビッグデータの夢を見るか? – Togetterまとめ http://togetter.com/li/788474
これは本質とは関係ないサブ的な話です。ですが、CCCが来るとこんなこともします。そりゃ武雄市教委がへぼいなんてことは百も承知です。だけど現実こうなんですよ。
あなたの生活、CCCが見守ります、じゃなく、CCCが監視します、ですから。
それでも当初は、CCCもそこまでえげつないことはしないだろうと、指定管理者になってよりよい図書館を作ってくれるだろう、という一抹の期待もあったわけですよ。
でも武雄と海老名の選書問題が明るみに出て、CCCは何も進化していないことがバレバレ。それどころか「オレらが愚衆であるお前らのライフスタイルを決めてやるから言うこと聞け」になってます。
海老名市立図書館、選書やり直しへ 武雄市図書館問題が「飛び火」 http://www.huffingtonpost.jp/2015/09/18/ebinashi-library_n_8157396.html
まぁほかにも、計画書を開示請求したらのり弁が来たとか、いろいろやらかしていて各論も上げるときりがない状態になってます。
僕が最終的に今感じている武雄市図書館の感想としては、
「CCCに任せてはいけない」
ということです。彼らは図書館のことを何も分かっていない、ノウハウもない、そして改善する努力などさらさらしない、個人情報は徹底的に抜きまくれ、そういう会社です。
大事なことなので繰り返します。
「CCCに任せてはいけない」