大正末期のモダンガールは、女性雑誌で取り上げられ、誌面上で対談が行われ、その存在とはいかにという議論が始まった。雑誌というメディアはモダンファッションを紹介し、地方に住む若い女性たちの憧れとなってゆく。「モダンボーイ、モダンガール(通称モボ・モガ)」と呼ばれたモダンなスタイルの男女が銀座の通りを闊歩し、戦前の都市風俗としてにわかに話題となった。昭和に入り、戦局が思わしくなくなる頃まで緩やかではあったが、洋装化が進んでいった。
今和次郎の調査によると、1925(大正14)年の時点で、洋装、いわゆる「モガ」は銀座においてわずか1%に過ぎない。同年、資生堂が実施した調査では、銀座を歩く女性のうち、洋装は4%であった。それにもかかわらず、モダンガールは、文壇にも登場し、批判され、非難され、ときには擁護されるなどして、議論の的になっていった。
モダニズム文学にみるモダンガール <研究ノート>
by 豊田かおり
http://dspace.bunka.ac.jp/dspace/bitstream/10457/2186/1/001032222_09.pdf
(sk)
男性の3分の2は洋装だったのに、女性はたったの1%だったなんて、びっくりだ。