池上彰

マサチューセッツ工科大学にも行きまして、教育の話を聞いたところ、やはり、「社会に出てすぐに役に立つ学問は教えない」と言うんですね。 どうしてかというと、特に先端的な科学技術、あるいは情報技術の分野では、それまでの知識は5年も経つと古くなってしまい、役に立たなくなるということなんです。だから、大学で最先端の知識を教えても、大学を出て5年経つと役に立たなくなってしまう。「どんどん科学が進んで行っても、常にそこについていける。あるいは、さらに新しい知識をきちんと身につけ、自らいろんなことを開発していく。そういう力をつけることこそが、大学に必要なことなんです。すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなるから教えないんです」ということでした。
「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」これは、かつて慶應義塾大学の塾長であった小泉信三の言葉でもあるんですね。

2 thoughts on “池上彰

  1. shinichi Post author

    池上彰が語る「役に立たない」教養の重要性

    http://www.excite.co.jp/News/bit/E1426643564134.html?_p=2

    日本にはたとえ合理的な選択をしても、教養が足りていなかったために不合理になってしまったケースが見られる。

    例えば、筑波の研究学園都市計画。これは現在の筑波大などを移転する際の計画である。この計画は作り自体はとても合理的で洗練されたものだった。しかし、”洗練されすぎていた”ために、人気がなくなり自殺者が多く出てしまったらしい。これについて、稀代の教養人で「セゾン文化」の生みの親、堤清二は「都市というものは路地裏のような非合理的なものがないと人が寄り付かない」と語っている。

    さらに、ライブドアによるフジテレビ買収失敗も教養が足りずに失敗した一例だ。企業のM&A上はとても合理的なホリエモンらしい判断であったが、フジテレビ社員や経営陣の心情という非合理的な側面をまったく無視したために反感を買い、結果として失敗してしまった。

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