山本周五郎

私は自分が見たもの、現実に感じることのできるもの以外は(殆ど)書かないし、英雄、豪傑、権力者の類にはまったく関心がない。人間の人間らしさ、人間同士の共感といったものを、満足やよろこびのなかよりも、貧困や病苦や、失意や絶望のなかに、より強く私は感じることができる。

One thought on “山本周五郎

  1. shinichi Post author

    おごそかな渇き

    by 山本周五郎

    解説

    《私の書くものはよく「古風な義理人情」といわれる。(略)私は自分が見たもの、現実に感じることのできるもの以外は(殆ど)書かないし、英雄、豪傑、権力者の類にはまったく関心がない。人間の人間らしさ、人間同士の共感といったものを、満足やよろこびのなかよりも、貧困や病苦や、失意や絶望のなかに、より強く私は感じることができる》
     これは昭和31年の暮れ、新潮社板「小説文庫」の一冊として刊行された『将監(しょうげん)さまの細道』のカバーに書かれた著者の言葉です。

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