松村博士の研究材料を提供されていた人に鈴木元次郎氏があり、その頃各地を採集していたが、晩年は明石に花園昆虫研究所を開いておられ、私もその頃お伺いしたことがある (昭和15年頃)。氏はその後宝塚昆虫館にもおられた。
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鈴木元次郎は中部地方の出身で、もともとは蒔絵の職人。絵柄の参考にするために昆虫の標本に興味を持ち始めた。京都で私設の花園昆虫研究所を作り、昆虫標本の販売や昆虫研究者らへの提供などを行う。1939年に阪急電鉄が宝塚昆虫館を開館させる際、展示標本をほぼすべて、自身の標本から提供し、また昆虫館に勤務して、資料拡充の活動を支えた。
兵庫県産甲虫類研究史概説(3)
by 高橋寿郎
in きべりはむし
第21巻 第1号
神戸昆虫同好会
(1993年5月)
http://www.konchukan.net/pdf/kiberihamushi/Vol21_1/kiberihamushi_21_1.pdf
明治・大正時代の研究
なにわのナチュラリスト
大阪市立自然史博物館
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/tokuten/2005naniwa/virtual/search/
鈴木元次郎
(生年不詳 – 1942)
宝塚昆虫館の展示標本を支えた採集人