茅原一也

中国人は古代から玉を異常といえるほど愛好しました。それは宝玉や貴石ということではなく、深い宗教的・哲学的・道徳的意義を認めたことに深くかかわっていたのです。

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  1. shinichi Post author

    古代中国の玉の世界 -その科学と文化-

    鄧 淑蘋 監修
    茅原 一也 編著

    (平成 18 年 10 月 20 日)A5 判(244 頁)5,000 円

    http://www.sspej.gr.jp/assets/files/Publishing/kodaichugoku.pdf

    中国人は古代から玉を異常といえるほど愛好しました.それは宝玉や貴石ということではなく,深い宗教的・哲学的・道徳的意義を認めたことに深くかかわっていたのです.

    本書は,約 7,000 年前に遡る新石器時代から石器(玉兵)より玉器に転化・発展し,現代に至っている玉文化について,その主要原石を供給した新疆産崑崙玉の由来,シルクロード(ジェードロード,玉の道)を通じて東へ運ばれた歴史,玉器の変遷,玉(ネフライト)産出の地質学的背景などについて述べたものであります.

    第1章 世界のネフライト文化圏と中国の玉文化
    1. 1 ヒスイ(硬玉)とネフライト(軟玉)
    1. 2 世界の二大ヒスイ文化圏と一大ネフライト文化圏(玉文化圏)
    1. 3 シルクロードとジェードロード

    第2章 モンゴロイドとジェード
    2. 1 新石器時代における玉文化 -玉器時代
    2. 2 モンゴロイドとヒスイ・ネフライト

    第3章 玉の定義と意義
    3. 1 玉の定義
    3. 2 中国における玉の意義
    3. 3 玉と君子
    3. 4 玉器の始まり -石器から玉器へ-
    3. 5 身分の象徴としての玉器

    第4章 中国考古学の進歩と玉文化の起源
    4. 1 殷墟遺跡の発掘と出土玉器
    4. 2 解放後における中国考古学の進歩
    4. 3 新石器時代における玉の種類とその推定産地
    4. 4 古代中国(新石器時代)における角閃玉の産地

    第5章 中国古代玉器文化の特質

    第6章 新石器時代から歴史時代へ

    第7章 中国の玉の種類
    7. 1 玉の種類
    7. 2 硬玉(ヒスイ)
    7. 3 和田玉
    7. 4 代用玉
    7. 5 いわゆる蛇紋石玉について
    7. 6 その他の玉彫原料
    7. 7 台湾玉(豊田玉)
    7. 8 韓国,春川のネフライト

    第8章 崑崙山脈における玉の産状と開発
    8. 1 古代における玉の採取
    8. 2 清代~民国期における採鉱
    8. 3 1882~1932 年のロシア人による探査
    8. 4 新中国での探査

    第9章 和田玉, 碧玉, 金山玉の鉱物学的性質
    9. 1 和田玉と碧玉
    9. 2 軟玉の種類
    9. 3 軟玉の微細組織(質地)
    9. 4 電子顕微鏡観察
    9. 5 軟玉の粉末 X 線分析
    9. 6 軟玉の化学成分
    9. 7 微量元素成分
    9. 8 軟玉の物理的性質

    第10章 軟玉の新種-崑崙玉と蛇緑玉-
    10. 1 崑崙玉
    10. 2 蛇緑玉

    第11章 玉器時代の編年と主要玉文化
    11. 1 神話・伝説世界における玉
    11. 2 「史記」 に記述された崑崙の玉
    11. 3 「漢書」 [西域伝] にみられる崑崙の玉
    11. 4 「北周書」 巻五十,異域伝-于?の記録
    11. 5 「五代史」 巻七四,四夷付録三,于?の条
    11. 6 「重修政和経史証類備用本草」 巻三,玉石部上品の条
    11. 7 西域南道の国々と玉
    11. 8 月氏の玉
    11. 9 十世紀ごろの玉交易
    11. 10 完璧の故事-和氏の璧
    11. 11 新疆,和田およびヤールカンドの玉

    第12章 古文書にみる崑崙の玉

    第13章 崑崙の玉とジェードロード(玉の道)
    13. 1 シルクロードとジェードロード
    13. 2 シルクロードとは
    13. 3 オアシス路の自然と文化交流
    13. 4 ステップロードにおけるスキタイと玉文化

    第14章 玉 の 道

    第15章 最近の和田の玉事情と中国産軟玉の価格・生産量
    15. 1 河床における玉の採取
    15. 2 崑崙山中での玉の採取
    15. 3 新疆軟玉の産出額
    15. 4 軟玉原料の工芸上の要求と原石価格

    第16章 周以降における玉器の種類
    16. 1 禮器-六瑞と六器
    16. 2a 礼 器
    16. 2b 符節器(天子の命を示す証拠品)
    16. 3 環状類玉器
    16. 4 装飾器(佩飾器)
    16. 5 象嵌器(主として剣飾器)
    16. 6 葬祭器

    第17章 新石器時代およびそれ以後の玉器芸術
    17. 1 旧石器時代(B.C. 18000~7000 年)の文化
    17. 2 新石器時代文化の時代区分と地域性
    17. 3 新石器時代の玉文化の変遷
    17. 4 二里頭文化(B.C. 18%0~1600)の玉
    17. 5 商(殷)代の玉文化
    17. 6 西周~近代における玉文化の変遷-新疆産和田玉と碧玉の開発利用に関連して

    第18章 現在のホータンの玉事情

    第19章 玉の採鉱と彫刻(雕琢)術
    19. 1 玉の採鉱
    19. 1 軟玉の工芸加工および代表的工芸品

    資 料
    「古代中国の玉の世界-その科学と文化-」 の刊行によせて
    (新潟大学理学部長・教授) 周藤 賢治
    (株式会社キタック社長) 中山 輝也

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