地球環境問題としては、酸性雨、熱帯林破壊、野性生物種の減少、砂漠化、海洋汚染、オゾン層の破壊などがあるが、何といってもその影響の大きさと拡がり、解決の難しさからみて最大のものは地球温暖化問題である。地球温暖化の影響の全てが分かっている訳ではないが、少なくとも海洋の温暖化・氷河の溶解による海面上昇(100 年間で 0.88m)、それによる島嶼国・海岸地帯の町村の水没、温帯から熱帯に至る農業・漁業の生産性低下、異常気象(暴風雨、洪水、干ばつ、熱波など)の頻発、感染症の拡大、熱帯雨林の減少、砂漠化、野性生物種の減少などにつながると考えられている。温暖化問題は現代社会の経済活動全体を支えるエネルギー消費と密接に関わっているだけに、国際的に真に有効な対策がとられるまでにはなお相当の時間がかかるであろう。
第 1 章 21 世紀の人口問題(総論)
JICA
(2003)
https://www.jica.go.jp/jica-ri/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jica/field/pdf/2003_07c.pdf
(3)人口と環境