公共の福祉

日本国憲法の第13条に
  すべて国民は、個人として尊重される。
  生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、
  公共の福祉に反しない限り、
  立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
と書いてある

これをそのまま読めば
  公共の福祉に反しない限り
  生命に対する個人の権利が尊重され
  公共の福祉に反しない限り
  自由に対する個人の権利が尊重され
  公共の福祉に反しない限り
  幸福追求に対する個人の権利が尊重される
となり
言い換えれば
  公共の福祉に反すれば
  生命に対する個人の権利は尊重されず
  公共の福祉に反すれば
  自由に対する個人の権利は尊重されず
  公共の福祉に反すれば
  幸福追求に対する個人の権利は尊重されない
となる

日本国憲法の第12条にも 第22条にも 第29条にも
公共の福祉という言葉が出てくる

日本では
  ハンセン病患者を隔離するのも
  電源開発のために村を水の底に沈めるのも
  鉄道の敷設のために人を立ち退かせるのも
みんな公共の福祉だった

政府が
  人々の生活の安全を守るために何かを制限するのも
  人々の生活を豊かにするために何かを制限するのも
  人々を幸福にするために何かを制限するのも
みんな公共の福祉なのだ

私たちは
  公共の福祉のために人間としての自由を失い
  公共の福祉のために人間としての権利を失い
  公共の福祉のために人間としての機会を失い
それでもへらへらと生きている

私たちの最大の敵は
もしかしたら 公共の福祉かもしれない
いや
私たちの最大の敵は
憲法ではないのか
国ではないのか

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