分断

社会はいつも2つに分かれる
都市に住む人たちと 地方に住む人たち
富裕層と 貧困層
老人と 若者
保守と リベラル
2つのグループは
違うところに住み
違うものを食べ
違う情報に触れ
交うことなど 考えられない
境界には 線が引かれ
つながりは 断ち切られ
格差が大きくても 見て見ないふり
忙しい人々は 優しくなく
信じることのできる人は いない
助ける人は鈍感で
助けられる人を傷つける
理不尽さは 説明されず
思考は停まったまま
僕はどこにいるのか
あちらなのか こちらなのか
内なのか 外なのか
いや
僕は どこにもいない
部外者よりも 部外者で
外人よりも 外人の
孤立している
僕がいる

2 thoughts on “分断

  1. shinichi Post author

    トランプ敗北後、日本はアメリカとどう付き合えばいいのか

    深刻すぎる二極分化の実態

    by 篠田 英朗

    https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77157?imp=0

    アメリカの大統領選挙の混迷が続いている。アメリカ社会の二極分化は今に始まったことではないが、それが一層深刻になってきていることは確かなようだ。

    トランプの攻撃的な姿勢が二極分化を悪化させたことは間違いないが、実はオバマの宗教説教者的な姿勢が一部の国民を苛立たせていた布石があったことも指摘しておかざるをえない。

    選挙は、アメリカ社会の脆弱性を浮き彫りにした。誰が大統領に就任するにせよ、超大国アメリカは苦しんでいる、という現状を覆い隠すことはできないだろう。

    日本は、アメリカしか同盟国を持たない国だ。アメリカと手を携えて生きていくしかない。だが、だからといって脆弱化しているアメリカの現実から目をそらすことも、正しくない。どうすればいいのか。考えていかなければならない。

    分断されたアメリカ

    現代アメリカ社会の二極分化の深刻さは、BLMの運動と中で見られた極左・極右団体の暗躍などを通じて、すでに鮮明に見られていた。

    しかし選挙の際の投票行動を地図で見たりすると、あらためて分断の構図が可視化されてくる。都市部が青(民主党)、地方部が赤(共和党)で、くっきりと色分けされる。

    伝統的な構造では、1970年代頃から、南部諸州が共和党の基盤で、北部諸州が民主党の基盤となっている。

    これは19世紀から続く南北対立の構図が、リベラル・保守の思想的対立が顕在化してきた1960年代以降に、それまでの南北戦争以来の政党支持基盤が逆転する形で、新たに固定化されたものだった。

    思想的違いの背景には、生活基盤の違いがある。19世紀の南北戦争は、南部が奴隷制を前提にしたプランテーション栽培を基盤にしていたことが大きかった。

    現在では、都市部で「大きな政府」の支援を必要とする低所得者層や夫婦共働きで高額給与の法人に従事する層が民主党を支持し、地方部では連邦政府の介入を憎む伝統的産業に従事する保守層が共和党を支持する構図となっている。

    都市部の比重が大きいニューヨーク州などの東部地域や、カリフォルニア州などの西部地域は強固な民主党の基盤であり、ディープサウスと呼ばれる広大な面積を持つ南部地域は共和党の基盤だ。

    大統領選挙で可視化された「激戦州」とは、つきつめると、都市部と地方部の勢力が拮抗しているエリアだ。

    前回選挙で「ラストベルト」の言葉で有名になった中西部諸州が典型的だが、東部諸州に近い都市部を持ちながら、地方部に行けば全く異なる価値観と生活習慣を持つ人々が住んでいる。両者の勢力が州内で拮抗しているため、「激戦州」となるのだ。

    郡単位で、大統領選挙の投票行動を見てみると一目瞭然である。「激戦州」において、面積では小さく人口では過密した少数の都市部が「青(民主党)」で、面積では大きく人口では散在している多数の地方部が「赤(共和党)」となって、分断が進んでいる。実はこの構図自体は、東部でも南部でも、基本的には同じだ。

    東部州でも地方部は赤(共和党)が強く、南部州でも都市は青(民主党)だ。今回も、バイデン氏が圧勝した東部ニューヨーク州においてすら、都市部以外では広範にトランプ大統領が勝利しており、トランプ大統領が圧勝した南部ルイジアナ州などにおいてすら、ニューオリンズなどの都市部ではバイデン氏が勝利している。

    州全体で都市部の勢力が強ければ州単位の結果が「青(民主党)」になるし、逆であれば「赤(共和党)」になる。逆に境界線のようなエリアに位置する6州程度の一部の「激戦州」では、両者の勢力が州内で拮抗しているために、常に激しい争いが繰り広げられる。

    結局、現代アメリカの社会分断の構図は、都市部と地方部の分断であり、そこに産業構造や所得格差の断絶なども折り重なってくるために、状況が深刻になっている。

    郵便投票という民主党の「票田」

    今回の選挙の新しい特徴は、地域や所得ではなく、「郵便投票」に大きな構造的特徴があることがはっきりしたことだ。

    ミシガン州やウィスコンシン州などの「激戦州」でトランプ大統領が投票所での投票で数万のリードを持っていても、郵便投票の開票が進むと、次々とバイデン氏が逆転していく現象が起こった。郵便投票が、民主党の票田であることが、はっきりと証明された。

    地域や所得などでなく、郵便投票であるかどうかで、特定候補に票が集まるかどうかがわかるというのは、奇妙な現象である。だがそれは現実だった。

    選挙の直前に郵便投票の受付期限の延長を決めたペンシルベニア州の判断は、最高裁で争われたが、判事が割れる形で、ようやく認められた。

    これらの民主党知事の州の郵便投票が民主党に有利に働くことは、すでに選挙前から予測もされていたので、トランプ大統領は、選挙後すぐに、郵便投票に不正があった、と騒ぎ始めた。トランプ大統領が、郵便投票の有効性に関する訴訟を乱発することは、すでに事前に予想されていたことである。

    もちろん不正があったかどうかは、事実問題であり、証拠を示さずに不正を叫んでいるトランプ大統領の態度は正当化できない。しかしそもそも郵便投票の導入に党派的な事情がからんでいることも否定できない。

    民主党が州の実権を握っていれば、郵便投票は推進され、そうでなければ推進されない。「激戦州」であっても、州の指導者層で民主党が優位になっていれば、広範に郵便投票が導入される。

    郵便投票は選挙前に決まったゲームのルールだとしても、党派的な事情もあって導入されたゲームのルールではある。そのため、票田としての郵便投票を通じたバイデン氏の勝利が、二極分化構造の対立を悪化させるのだ。

    今回の選挙は、史上最高の投票率を記録したが、過去には投票所に行かなかった層が、郵便投票で掘り起こされたことも大きいだろう。1億ともいわれる数の投票用紙が事前に郵送され、約6500万人が郵便で投票したという。

    秘密投票の確保が難しく、二重投票を含めた不正の可能性を高める郵便投票が、これほど広範に行われたことは、驚くべきことである。党派的な分断が深刻なのに、なぜ郵便投票などを導入してしまったのか、と問いたいところだが、答えは、党派的分断が深刻だから導入した、というものだ。

    それにしても、なぜ郵便投票は、民主党の票田なのか。都市部の低所得マイノリティ層などの潜在的民主党支持者が、かなりまとまった働きかけを受けて、郵便投票を利用したと考えることができる。秘密結社のようなものによる組織的働きかけだけでなく、もっと広い意味での口コミ的なものも含めるべきだろう。

    BLM運動の際にも、運動参加者は頻繁に選挙に参照していた。法的な意味で不正があったかどうかという次元の問題とは別に、完全に秘密投票が守られる環境で郵便投票が行われたかという次元の問題は残る。

    なお人口比で議席が配分される下院では民主党が優位、州ごとの固定議席がある上院は共和党が堅持するという傾向も、底堅い。下院の民主党は「大きな政府」を語りながら移民流入を促進して郵便投票を推進し、上院の共和党は逆の政策をとっていくだろう。

    新型コロナの影響

    郵便投票の広範な導入を正当化したのは形式的には新型コロナ対策を名目とした議論であったが、新型コロナ危機は、今回の選挙に大きな影を落としていた。

    バイデン氏は、トランプ政権の新型コロナ対策の失敗を指摘し続けた。これに対して自らも感染してから復活したトランプ大統領は、コロナを恐れるな、と呼びかけた。バイデン氏が大統領になると、科学者べったりのコロナ対策で経済は終わる、とも主張していた。

    新型コロナをめぐる政策論が、二極分化の構造そのままに、社会的分断を悪化させているのである。

    〔PHOTO〕gettyimages
    アメリカの各州の人口当たり新型コロナ死者数を並べてみると、上位には人口密集度が高い東部諸州が並ぶ。民主党の基盤だ。

    全米平均値を上回る人口当たり死者数を出している15州を取り上げてみると、今回の大統領選挙でバイデン氏が制したのが10州、トランプ大統領が5州である。上位10州ではバイデン氏勝利が8州、トランプ大統領が勝ったのはルイジアナとミシシッピの2州だけだ。

    新型コロナ被害が大きいとバイデン氏に投票する傾向があるというよりは、民主党の地盤である都市部で新型コロナ被害が大きいと言うべきなのだが、いずれにせよ新型コロナの被害と、選挙での投票行動は、相当な重なり合いを見せている。

    そのため新型コロナ被害が比較的軽く、ロックダウン等の強硬な対策に反対する地方部で、「コロナを恐れるな」のトランプ支持が強くなる。新型コロナ被害が甚大で、強硬な政策にも理解がある都市部で、「トランプではコロナ死者が増える」のバイデン支持が強くなる。

    このような二極分化構造では、誰がやっても、全国一律の政策は半分の層からの支持しか得られない。実際には、州ごとの対策ですら、分化した支持しか得られないのだ。

    都市部と地方部で被害も対策も異なってくるのは、日本でも欧州でもどこでも同じだ。そこで日本や欧州では、全国レベルで共通の指標となる考え方を出しながら、地域ごとに異なった対策をとるというやり方が常態化している。

    連邦制をとるアメリカでは、州ごとに異なった対策がとられるのは当然として、連邦政府と州政府、各州政府の間の連携や役割分担がぎこちない。広大な面積を持つがゆえの難しさがあるのは当然だが、二極分化した党派的な断絶が影を落としていることも否めないだろう。

    日本でもマスコミや野党は、政府の新型コロナ対策を批判し続けているが、分科会(旧専門家会議)専門家層を含めた中央政府と地方自治体の間に、党派的対立を背景にした極度に深刻な路線対立は発生していない。

    ところがアメリカでは、地方部と都市部の格差が、二大政党制の対立構造とも結びつき、新型コロナの脅威認識のところからの違いを生み出してしまっている。危機が広がれば広がるほど、二極分化も広がっていく仕組みだ。

    弱いアメリカ

    日本にとってはトランプの方がいい、バイデンでもいいじゃないか、といった議論が、相当に行われている。今のところバイデン氏の外交政策の基本姿勢は未知数で、国務長官などのポストがどう決まってくるかによって左右されるだろう。

    長期的な視点で日本が考えなければならないのは、唯一の同盟国であるアメリカが、その内部に深刻な分断という脆弱性を抱えた国になっている、ということだ。誰が大統領になっても、国内の騒乱に繰り返し頭を悩ませることになるだろう。

    日本としては、それをふまえたうえで、外交を握る政党の指導者との良好な人間関係をその都度その都度作っていくことと、アメリカという国が全体的に目指している価値観をアメリカ人とともに理解してあげることの二つの姿勢を常に持っておくことになる。

    政策的には、バイデン政権が誕生した場合に、トランプ政権と同じように「インド太平洋構想」にコミットし、アメリカ・日本・オーストラリア・インドとの四か国協議体制を維持してくれるかが、試金石となるだろう。

    バイデン政権がヨーロッパ諸国との関係を改善することだけは間違いない。そこで伝統的なNATOの枠組みに、インド太平洋構想を結びつけるためには、アメリカのコミットメントが不可欠だ。

    それにしても、今回の大統領選挙をめぐって、日本国内でも連動した顕著な二極対立構造が見られたことは気になる。保守とリベラルというアメリカから輸入された概念は、現代日本ですっかり定着した。それくらいに日本は、アメリカにおける二極分化の対立構造に影響されやすくなっている。

    アメリカにおける二極分化構造を生み出している民主的なダイナミズムは尊重するとして、二極分化の弊害については他山の石として、慎重に日本でも警戒しておく姿勢が大切になる。

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