科学技術の進歩で
自然の猛威による災害が
信じられないくらい大きくなる
人間が
自然を征服したつもりになり
自然のしっぺ返しにあう
国家なんていうものが
小さな損害を大きくし
多くの人間の生活を壊す
自然に害をなせば
自然の一部である人間に
害が及ぶ
人間が
自然の一部だということを忘れれば
人間は
自然から見放される
科学技術の進歩で
自然の猛威による災害が
信じられないくらい大きくなる
人間が
自然を征服したつもりになり
自然のしっぺ返しにあう
国家なんていうものが
小さな損害を大きくし
多くの人間の生活を壊す
自然に害をなせば
自然の一部である人間に
害が及ぶ
人間が
自然の一部だということを忘れれば
人間は
自然から見放される
(sk)
第306作
If we harm to nature
天災と国防
by 寺田寅彦
から何らかの刺激を受けて
天災と国防
by 寺田寅彦
青空文庫
https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2509_9319.html
しかしここで一つ考えなければならないことで、しかもいつも忘れられがちな重大な要項がある。それは、文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈の度を増すという事実である。
・・・
文明が進むに従って人間は次第に自然を征服しようとする野心を生じた。そうして、重力に逆らい、風圧水力に抗するようないろいろの造営物を作った。そうしてあっぱれ自然の暴威を封じ込めたつもりになっていると、どうかした拍子に檻を破った猛獣の大群のように、自然があばれ出して高楼を倒壊せしめ堤防を崩壊させて人命を危うくし財産を滅ぼす。その災禍を起こさせたもとの起こりは天然に反抗する人間の細工であると言っても不当ではないはずである、災害の運動エネルギーとなるべき位置エネルギーを蓄積させ、いやが上にも災害を大きくするように努力しているものはたれあろう文明人そのものなのである。
もう一つ文明の進歩のために生じた対自然関係の著しい変化がある。それは人間の団体、なかんずくいわゆる国家あるいは国民と称するものの有機的結合が進化し、その内部機構の分化が著しく進展して来たために、その有機系のある一部の損害が系全体に対してはなはだしく有害な影響を及ぼす可能性が多くなり、時には一小部分の傷害が全系統に致命的となりうる恐れがあるようになったということである。