電源喪失

発電所や原子力施設、変電所、電力システムへのハッキングは2009年のイランのケースに始まり、2012年のイギリスや、2015年・2016年のウクライナ、2019年のロシアなどで実際に行われてきた。
2019年のロシアのケースを調べていてわかったのだが、アメリカをはじめとする各国政府のハッカーたちは、国とその利益を保護するために秘密の軍事活動を実行することが許可されていて、好き勝手にハッキングしている。
進化は止まらず、電力網のあちらこちらにある保護リレー(protection relays)のような安全装置(safety devices)を狙ったハッキングにより、発電所をハッキングすることなく電力供給をズタズタにできる能力を磨いている。
非常用の電源をも狙うことのできるハッキングプログラムなんていうものもあって、電力供給を断つのはもうそう難しいことではない。電力供給が断たれると、電話やインターネット、テレビとった連絡・通信手段がなくなり、社会が機能しなくなる。「人が傷つかない攻撃は、どんな攻撃より効果がある」というレポートがたくさん出ている。
福島の原子力発電所で起きた電源喪失が日本のすべての場所で起きるということを想定して準備をすることが大事だと思うのだが、そんなことを言っても誰からも相手にされない。そして、そんなサイバーハッキングを受けたら、きっとすべてのことが「想定外」で済まされるのだろう。
私たちの社会の脆弱性は、もう誰も考えたくないレベルにまで高まってしまっているのではないか。地震・津波・噴火などの自然災害よりもっとずっと恐ろしい人災を忘れてはいけないのではないか。そんなふうに考えるのは、考えすぎだろうか? 
自然のすることより、人間がすることのほうが、ずっと恐ろしい。こころからそう思う。

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