森で暮らす

悲しみのなかにいても
人は毎日を楽しむ
虐殺の現場からも
笑い声が聞こえてくる

明けない夜はないといって
人は朝日に向かう
重病人がいても
井戸端から談笑が絶えることはない

貧しい人が集まって
心から笑っている
檻のなかの囚われた人たちが
つまらないジョークに笑い合っている

私たちが「かわいそうに」と言った時に
誰かが私たちのことを「かわいそうに」と言っている
かわいそうなのは あの人たちではない
本当にかわいそうなのは じつは自分たちなのだ

奪う人たちに抵抗することを諦め
日々の暮らしに満足し
自分たちは幸せなのだと
言い聞かせてはいけない

喜びを危険にさらすことを怖れず
喜びなしでも生きる覚悟を持つ
与えられた喜びや楽しさを
貪るのは やめる

権力を操る神を忘れて
悪魔と共に戦おう
都合のよい人間にならないで
嫌われる人間になろう

見えてこない権力を賛美したり
金持ちに感謝してはいけない
戦っても勝てるわけはないから
少しの知恵と勇気を持つ

小さなボートと小さな小屋を手に入れて
少しの現金を持って 自由に暮らす
悲しみとも苦しみとも無縁の日々を
余計なことを考えすに 君とすごす

社会からできるだけ遠くにいる
豊かさとも貧しさとも縁なく過ごす
朝日と夕日と月と星とを眺め
石と木と水とに守られて生きる

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