人間

寿命が来た星は形を失って 雲のように宇宙に拡がってゆく

爆発した超新星からは 様々な元素が宇宙にばらまかれる

宇宙のあちらこちらに ガスや塵が漂っている

漂うガスや塵が集まって 恒星が生まれ 惑星が生まれる

ある惑星の表面の温度が下がり 雲ができ雨が降り海ができる

海の中にたまたま生じた核酸と その鋳型による複製を手段として 生命が誕生する

生命は複雑な生物になってゆき 海から陸に生活の場を移し 人間が出現する

海中は人間の産みの母であり 陸上は人間の育ての母なのだ

だから 人間のからだのなかの元素が 宇宙から来ていても何の不思議もない

人間は地球の表面の陸の上にいる でも宇宙の中にいることを忘れてはならない

そして 人間も地球も太陽系も ガスや塵になり 元素になり 宇宙を漂う

またいつか集まって星になる日まで 漂い続ける

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