人が人を助ける

豊かな国の人たちが やって来て
貧しい国の人たちを助ける
それはいいことなのだろうけれど
素晴らしいとは 素直には言えない

昔々 強国が開発したところが
気がつけば植民地になっていて
植民地は強国に従属を強いられた

植民地は
強国にとっては
原料の供給地であり
商品の市場であり
資本の輸出地だったから
強国は植民地を統治して 属領とした

でも 時の流れとともに
どの植民地も不安定になってゆき
多くの悲劇を伴って
植民地は次々に独立していった

植民地が独立したあとには
いろいろな強国がやってきて
原料の取り合いをしたり
市場を奪おうとしたり
資本を握ろうとしたりして競い合い
強国の意を受けた元植民地の人たちが
武器を渡されて殺し合った

殺し合いが続いて
貧しい国は さらに貧しくなり
強国は一人でも多くの貧しい人を取り込もうと
開発とか援助とかいってカネをつぎ込む
そして
これだけの人の命を救ったとか
これだけの人に水を届けたとか
偉そうな顔をして自慢する

強国の人たちに
貧しい国を食い物にする20世紀の強奪システムを捨てさせ
開発や援助をやめさせて 一緒に生きて行くことを選ばせる

私たちが
21世紀にしなければならないのは 貧富の差をなくすこと
豊かな国と貧しい国の差を縮める
そして
豊かな人と貧しい人の差を縮める

差がなくなれば 援助などいらない
援助のない世界を目指したほうがいい
人が人を助けるなんていう欺瞞に満ちた行為は 早くやめたほうがいい

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