帰国できない高齢夫婦(三木義一)

 強きを助け、弱きをくじく国税庁の姿勢を示す事例を紹介してみたい。
 このご夫婦は長いこと外国で働き、外国の公的年金をもらってきたが、老後は日本で過ごしたいし、日本でも外国の年金を受領できるので帰国。ご主人が亡くなり、相続税の申告をした。すると、税務調査があり、ご主人の死亡により外国から遺族年金を受けるので、その受ける「権利」も相続財産だと言われる。年間500万円もらえる69歳の奥さんは、女性の平均余命を踏まえると、あと20年受けられるから、1億円を相続財産に加えろというのである。
 実際にいくらもらえるか分からない金額に課税され、しかも、日本の遺族年金は課税されていないのにどうしてと聞くと、日本のは非課税規定があるが、外国のにはないという。そこで非課税規定を調べてみると、日本のも年金を受ける「権利」を非課税にしている
わけではなく、完全に読み間違いをしている。私も加わり、説明をすると理由を二転、三転、四転。理由がないから、課税分はやめたらと言うと、処分しないと私が処分されると言い、強引に処分をしてくるのである。
 これが今、日本中でおきている。だから、外国で働いてきた高齢夫婦達は帰国できないでいる。国税庁長官か、国会議員さん、誰かが早く誤りを是正してあげないと生きて日本の土を踏めないよ!

3 thoughts on “帰国できない高齢夫婦(三木義一)

  1. shinichi Post author

    本音のコラム

    帰国できない高齢夫婦

    by 三木義一
    東京新聞 特報 11版 p.21
    2024年(令和6年)3月21日 (木曜日)

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  2. shinichi Post author

    国税庁は、

    国内外の遺族年金は、実質的に相続財産と同様の経済的効果を持つ「みなし相続財産」にあたる

    としており、

    日本の遺族年金には、厚生年金保険法などで、相続税を課さないとする規定がある一方、海外の遺族年金には、相続税の非課税の規定がないので、課税する

    ということで、調査官に頑張って徴税するようノルマを課している。

    Reply
  3. shinichi Post author

    年200万円の海外遺族年金に、相続税700万円 受給者側「争う」

    朝日新聞

    https://www.asahi.com/articles/ASR1C77LTR16ULFA01J.html

     外国の公的年金に加入していた夫を亡くし、遺族年金を受給していた関西の女性が、国税庁から巨額の相続税を納めるよう求められた――。そんな記事を先月掲載したところ、関東の女性からも同じような話が寄せられた。日本の遺族年金には相続税がかからないため、女性らは「不平等だ」と訴えている。

    「あす死ぬかもしれないのに」

     関東に住む女性(68)は昨夏、地元の税務署から突然、税務調査を受けた。米国の公的年金に加入していた夫がその約2年前に亡くなり、遺族年金をもらう権利を得たことが相続税の対象になると指摘され、約700万円を納税するよう求められた。

     夫は国内企業の米国駐在員として働き、現地の公的年金に加入を義務づけられて計12年間保険料を支払った。

     女性が受け取る米国からの遺族年金は月に約17万円。年間約200万円なので、納税を求められた額はその3年半分にもなる。

     4人の子はすでに成人しているため、女性が亡くなれば遺族年金は誰も受け取れない。

     「あす死ぬかもしれないのに」。税務署の担当者の説明に対し、思わずそんな言葉が出たという。

     納税額が巨額になったのは、平均余命まで生きた場合に受け取る遺族年金をもとに計算する仕組みだからだ。

    平均余命の24年分に課税

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