長谷川芳樹

Nikkei「日本株の上昇率、世界で突出 年初から12%高」という今日の日経新聞のweb版:
今年に入ってからの世界の株価の騰落率を比べると、日経平均は12.2%高と欧米やアジアの株式指数を大きく上回り、突出した上昇ぶりになっている。日米首脳会談を経て、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する方針が見えたことで海外投資家が改めてアベノミクスを評価する動きを強めたことも日本株に追い風だ。

たしかに、日経平均株価は、昨年12月末日: 10,395円、今年1月末日: 11,138円、今年2月25日: 11,662円 で、今年に入ってから12.2%上昇してる。
しかし、円/ドルの為替レートは、昨年12月末日: 1ドル=83円58銭、今年1月末日: 1ドル=89円16銭、今年2月25日 1ドル=93円86銭 で、今年に入ってから12.3%円安になっている。
日経平均株価は日本円では12.2%値上がりしているが、米ドルに換算すると0.1%値下がりしているということだ。

One thought on “長谷川芳樹

  1. shinichi Post author

    東京の特許事務所 創英・所長Hの ほんやら日記

    http://blog.livedoor.jp/soeipatent/archives/52020133.html

    マスコミ記事に惑わされないように!…と言いたい。
    “直接の嘘はないけれど、嘘っぽい”記事です。

    ←「日本株の上昇率、世界で突出 年初から12%高」という今日の日経新聞のweb版。

    曰く、
    「今年に入ってからの世界の株価の騰落率を比べると、日経平均は12.2%高と欧米やアジアの株式指数を大きく上回り、突出した上昇ぶりになっている。
    日米首脳会談を経て、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する方針が見えたことで海外投資家が改めてアベノミクスを評価する動きを強めたことも日本株に追い風だ。」

    うむむ…
    本当に、そんなに日本株は上がっているのですか?

    たしかに、日経平均株価の推移は…
    ・昨年12月末日 10,395円
    ・今年01月末日 11,138円
    ・今年2月25日 11,662円
    です。
    今年に入ってから今日までに、株価は12.2%上昇しています。

    この意味で、日経新聞の記事は正確です。

    しかし、円/ドルの為替の推移は…
    ・昨年12月末日 1ドル=83円58銭
    ・今年01月末日 1ドル=89円16銭
    ・今年2月25日 1ドル=93円86銭
    です。
    今年に入ってから今日までに、ドルに対して12.3%円安になっています。

    円表示の日経平均株価が12.2%上昇する一方で、ドルに対して円が12.3%も安くなった、ということです。

    整理すると、日経平均株価は
    ・日本円では12.2%値上がりしているが、
    ・米ドルに換算すると 全く値上がりせずに0.1%値下がりしている、
    ということです。

    円安になるということは円の通貨価値が下がる、ということです。

    為替・通貨の基本です。

    円の通貨価値が下がれば、見かけ上の円での株価が上がるのは…当然です。

    このように考えると、日本の株価が
    「欧米やアジアの株式指数を大きく上回り、突出した上昇ぶりになっている」
    と解説するのは、いかがなものか。

    直接の嘘はないけれど、読者を惑わせ、ミスリードしかねない。

    正しくは、
    「欧米やアジアに比較して日本円は突出して安くなっている(通貨価値が低下している)。
    このために、日本円で見た日本の株価は突出した上昇ぶりになっている。
    しかし、世界の基軸通貨であるドルでみると、残念ながら日本の株価は上昇していない。
    むしろ、わずかに下落している。」
    と解説すべきだと思うのですが、いかがでしょう?

    また、日経新聞が
    「海外投資家が改めてアベノミクスを評価する動きを強めたことも日本株に追い風だ」
    と解説するのにも疑問を感じます。

    海外投資家はドメスティックに日本円で投資を考えるたりしません。

    海外投資家はグローバルな視点で、基軸通貨たる米ドルをベースにして投資の損得を考えるはずです。

    そうだとすれば、日経平均株価の上昇が、本当にアベノミクスへ海外投資家の評価が現れた結果と言えるのか、はなはだ疑問ではないでしょうか。

    この種の ”直接の嘘はないけれど、読者を惑わす記事”は、意外と多い。

    経済マスコミの雄たる新聞社なのですから、もっとグローバルな視点で経済記事を書いて欲しい、と思うのは私だけではないでしょう。

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