グループで登山していて道にまよったとき、当地のガイドにしたがうか、それとも参加者全員の集約的意見を尊重するか、いずれを選ぶかについて投票してもらった。すると、ガイドにしたがうという意見が圧倒的だったのである。
つまり、自己言及パラドックスが生じたわけだ。みんなの意見が正しいとすれば、「みんなの意見は正しくない」わけだし、逆に、みんなの意見が正しくないなら、「みんなの意見は正しい」ということになる。
・・・これはちょっとした言葉遊びにすぎない。こんな実験で集合知仮説を否定するのは軽率というものだ。だが、本実験がしめすのは、人々は内心では相変わらず「みんなの意見より専門家の意見のほうが正しい」と信じているという厳然たる事実なのである。
集合知とは何か
ネット時代の「知」のゆくえ
by 西垣通
(sk)
西垣通の文章には、違和感を感じる。
間違いなく、巧妙な論理のすり替えがある。
信頼できないのは、ネットの知ではなく、西垣通の文章なのではないだろうか。