人間が持って生まれた運命がみっつある。
その一、人は必ず死んでしまう。
その二、人は自分を表現せずにはいられない。
その三、人は人から愛されたい。
どんな人でも衣食住がとりあえず足りれば、次は人から“自分”というものを認めてもらいたくなるものだ。
仕事で、趣味で、他愛のないお喋りの中で、人は自分を表現する。どんなに無口でおとなしい人でも、やはり黙っていることで表現しているのだ。
そして、自分というものを愛してほしいのだ。
好きになってほしいのだ。誰かに。自分以外の誰かに。
死んでしまう前に。
かなえられない恋のために
by 山本文緒
山本文緒
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fumio/
(sk)
なぜ「愛したい」でなく「愛されたい」なのか。
まあ、どうでもいいけれど。