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寺山修司

この七、八年の間「家」や「母親」「大学」そして、また「政治的国家」が余剰すぎたのかといえば、そうではない。むしろ、母親や家や大学、政治的国家といったものを必要とする思考が余剰すぎたのである。母親のいない少年の不幸はとるに足らないが、いない母親を必要とする青年の不幸は、かなり根深いものがある。保護の過剰によって失われてゆく魂のためには、自らが属してきた事象、アブリオリに存在していた家、親、時代といったものへの、きびしい検証がなされなければならないのは、自明の理である。

ラブソング

紀元前2000年 つまり今から4000年も前の
メソポタミアの王 シュ・シンのラブソングが
アッシュルバニパルの図書館に収められていたという

紀元前300年ごろに作られた
学術の殿堂といわれるアレクサンドリア図書館には
ソロモンのラブソングが所蔵されているはずだ

イギリスの国立図書館には ビートルズのラブソングが
フランスの国立図書館には ジャン・ジャック・ゴールドマンのラブソングが
日本の国会図書館には 尾崎豊のラブソングが所蔵されているのだろうか

粘土板の上に楔形文字で書かれたラブソングや
パピルスの上に象形文字で書かれたラブソングが
巨大なコンピュータシステムのなかにはいりこんでしまう

ビートルズのラブソングも ジャン・ジャック・ゴールドマンのラブソングも
尾崎豊のラブソングも 人工知能が作った何億何兆ものラブソングと一緒に
コンピュータシステムのなかで埋もれてゆく

僕のラブソングは コンピュータシステムのなかにはいりこんだりはしない
君のもとに届く 君にしか意味を持たない 君へのラブソング
今夜は一晩中かかって君へのラブソングを書こう

사랑의 물리학(김인육) 愛の物理学(キム・インユク)

질량의 크기는 부피와 비례하지 않는다

제비꽃같이 조그마한 그 계집애가
꽃잎같이 하늘거리는 그 계집애가
지구보다 더 큰 질량으로 나를 끌어당긴다.
순간, 나는
뉴턴의 사과처럼
사정없이 그녀에게로 굴러 떨어졌다
쿵 소리를 내며, 쿵쿵 소리를 내며

심장이
하늘에서 땅까지 아찔한 진자운동을 계속하였다
첫사랑이었다.

多くもなく少なくもなく

多くもなく少なくもなく
気遣うことができるくらい
幸せになって

多くもなく少なくもなく
暮らしてゆけるくらい
稼いで

多くもなく少なくもなく
いつも一緒にいられるくらい
愛して

多くもなく少なくもなく
目がきらきらするくらい
夢を見て

多くもなく少なくもなく
誰にも迷惑がかからないくらい
生きる

迷惑がかからないくらいに
二人で生きる

阿部定さんの印象(坂口安吾)

 阿部定さんに会つた感じは、一ばん平凡な下町育ちの女といふ感じであつた。東京下町に生れ、水商売もやつてきたお定さんであるから、山の手の人や田舎育ちの人とは違つてゐるのが当然だが、東京の下町では最もあたりまへな奇も変もない女のひとで、むしろ、あんまり平凡すぎる、さういふ感じである。すこしもスレたところがない。つまり天性、人みしりせず、気立のよい、明るい人だつたのだらうと思ふ。
・・・
 僕がお定さんに、なんべん恋をしましたか、と云つたら、たつた一度なんです、それがあの人なんです、三十二で恋なんて、をかしいかも知れないけど、でも一度も恋をしないで死ぬ人だつてタクサンゐるんでせう、と訴へるやうに僕を見た。然し、この恋といふ言葉は、お定さんの自分流の解釈で、お定さんは男が好きだつたことは少女のころから有つたのである。けれども、いつも騙された。相手がいつもダマすつもりで近づいてくる男ばかり、いかにも女らしい、そして人のよい、かういふタイプの人々は、だいたい男にダマされやすいタイプぢやないかと私は思ふ。
 つまり好きな男に好かれた、それをお定さんは恋と云つてゐるので、それがあの人一人であつたといふ。思へば気の毒な人なんであるが、又、お定さんの言ふ通り、でも恋を知らないで死ぬ人だつてタクサンあるんでせう、といふ。その通りである。好きな人に好かれる、ある意味では、そんなことはメッタにないのかも知れない。だから、お定さんがどんなに幸福で、夢中であつたか、名誉も金もいらないといふ一途な性質のものであつたことがうなづける。

男と女(亀山早苗)

 男と女はこれだけでいい。名前などわからなくても、しゃれた会話などなくても、つながっていれば、何もわからなくてもいいのだ。
 恋だの愛だのといっているうちは、男と女のことなどわかりようがないのではないか。言葉でわかろうとすることなど本来不要で、本能だけでつながる男と女のほうが動物としては正しいのではないか。

共依存なのか、愛なのか(ナースeye)

愛を受けることに依存する人。そんな人へ尽くすことに依存する人。
愛というものは「人のために尽くす」ことで、共依存というものは「人のためになると思い込んでがんばる」ことだと言います。しかし、実は、その違いは微妙です。また、「人のためになると思い込んでがんばる」のが、必ずしも共依存という病気とは限らず、性格的な自己満足である場合も少なくありません。
決定的な違いは、その尽くす対象として、依存症者(ほとんどの場合は家族)がいるかどうかになります。したがって、共依存になりやすい性質の人間が、ただ一人で生活している状態においては、何の問題もないでしょう。家族など身近な人間関係において、その性質を「利用された」時に、その共依存という病気がもたげてくるのです。
いい人といえば、聞こえは悪くありませんが、そういう性質を利用されたり、あとで困ったりすることから考えると、「いい人」では済まされない問題もはらんでいます。悪用される可能性のある性質、または病気なのでしょう。
考えてみれば、境界のない人間関係ですから、巻きこまれやすい状態があるのは、当然なのです。自分の感情が、人の感情にからみあって、巻きこまれていくのです。依存症者から見て、無防備で、侵入しやすい状態に違いありません。依存症者にとって、あまりにも「いい人」で、心地よいがために、それに甘え始めて、ダメになっていく人がいるのも理解できます。そんな関係を築いて、お互いがダメになってしまう前に、この共依存について理解を深め、共依存を防がなければなりません。

海が凪いでいる
風がなく
波もなく
穏やかさがあたりを包む

凪という字に
音読みはない
中国から伝来した漢字ではなく
日本で作られた字だという

字の如く風が止む
時が止まったような
静けさのなかで
心まで静まる

騒がしい世の中に
凪がやってくると
穏やかさが不気味に感じられ
気持ちが乱れてしまう

僕は爽やかな空気になる
君は安らぎに包まれる
凪が君を不安にしないように
君が悲しまないように

メロン

一粒の種から育った
メロンが
実のなかに
水分をたくさんたくさん蓄える

ポルトガルの市場に
たどり着いたメロンを
笑顔のおばさんが
包丁で切ってくれる

メロンが 僕に
みずみずしさを
甘さを そして
涼しさを くれる

見たことのない白いメロンを
とても好きだと思う
メロンに満たされた僕が
君を見て笑う

かな?

君が僕にくれるのは
暑さのなかの涼しさ
僕が君にあげるのは
寒さのなかの暖かさ
君は
明日という名の希望
僕は
雨降りのときのひさし

君が僕にくれるのは
微笑
僕が君にあげるのは
勇気
君は
渇きのときのうるおい
僕は
日照りのときのひかげ

かな?

キム・スヒョン

 
人は幸福になるために生まれたような、
現実離れした存在ではない。
人間の原始的な感情は、
喜び、怒り、嫌悪、恐怖、悲しみ、驚きの6つ。
人間が幸福になるために地球に誕生したのなら、
どうして肯定的な感情がたったひとつしかないのだろう?
つまり人生の目的が幸福にあるという考え自体が
大きな錯覚だといえる。

**

イ・セドル vs AlphaGo
アナログ時計 vs 電子時計
手紙 vs メール
LPレコード vs MP3
私たちは完璧なものに憧れ、
完璧でないものを愛する。

**

私たちは自分なりの答えを持つ権利がある。
それは誤答ではなく、各自にとっての正解だ。

Oscar Wilde

“It is only the sacred things that are worth touching, Dorian,” said Lord Henry, with a strange touch of pathos in his voice. “But why should you be annoyed? I suppose she will belong to you some day. When one is in love, one always begins by deceiving one’s self, and one always ends by deceiving others. That is what the world calls a romance. You know her, at any rate, I suppose?”

特別ではない

君に起きることは
誰かに起きたこと
なにも新しくない
君は特別ではない

僕に起きたことは
誰かに起きたこと
なにも新しくない
僕も特別ではない

だから何も考えないで
風を楽しみ
風に乗り
風と生きる

風は君にだけ
吹くわけではない
風は僕にだけ
吹くわけでもない

どんな悪いことをしても
もう誰かがしたことだし
どんなにいいことをしても
誰も気づきはしない

だから
受け入れて
赦して
忘れて

土が
いたいところに
いさせてあげる

木が
心地いいところに
いさせてあげる

水が
行きたいところに
行かせてあげる

心が
安らぐところに
いさせてあげる

水が
土の中から
しみ出してくる

水が
心の中を
めぐっている

君が
僕の中を
めぐっている

水が
流れたいところに
流させてあげる

水が
とどまりたいところに
とどまらせてあげる

水が
したいように
させてあげる

逃げる

逃げる

どんな大きなものからも
逃げる

逃げきれないと思っても
逃げる

前が見えなくても
逃げる

希望がなくても
逃げる

生きている

**

休む

暖かいものに触れ
休む

守られている感じがして
休む

受け入れられている気がして
休む

希望が出てきて
休む

そして 死ぬ

Janis Ian

Love is blind / love is only sorrow / love is no tomorrow / since you went away / Love is blind / how well I remember / In the heat of summer pleasure / winter fades
How long will it take / before I can’t remember / memories I should forget / I’ve been burning / since the day we met
Love is blind / love is without a mercy / love is now you’ve hurt me / now you’ve gone away / Love is blind / love is no horizon / and I’m slowly dying / here in yesterday
In the morning / Waking to the sound of weeping / Someone else should weep for me / Now it’s over / Lover, let me be
Love is blind / Love is your caress / Love is tenderness / And momentary pain / Love is blind / How well I remember / In the heat of summer pleasure / Winter fades

綺麗

君が綺麗なのは
君を大好きだから
いや 違う
君のことが大好きでなくても
君は綺麗だ

誰かのことを想う

動物のことを想う
動物のためを想う
人間に支配されがちな動物のためを想う
自分に利益をもたらさない動物のことを想う
尊重する
思いやりを持つ
奴隷扱いされている動物のことを想う
奴隷扱いされるために捕獲される動物のことを想う
奴隷扱いされるために産みおとされる動物のことを想う
自分の選択で たくさんの動物を
苦しみと犠牲から解放することができると知る

植物のことを想う
植物のためを想う
人間に支配されがちな植物のためを想う
自分に利益をもたらさない植物のことを想う
尊重する
思いやりを持つ
奴隷扱いされている植物のことを想う
奴隷扱いされるために植えられる植物のことを想う
奴隷扱いされるために交配される植物のことを想う
自分の選択で たくさんの植物を
苦しみと犠牲から解放することができると知る

人のことを想う
人のためを想う
他人に支配されがちな人のためを想う
自分に利益をもたらさない人のことを想う
尊重する
思いやりを持つ
奴隷扱いされている人のことを想う
奴隷扱いされるために教育される人のことを想う
奴隷扱いされるために産みおとされる人のことを想う
自分の選択で たくさんの人を
苦しみと犠牲から解放することができると知る

そういうことのためにも
まず
君のことを想う
そう
君のためを想う

一緒

絵の前で立ち止まり
からだを向ける
絵を見ているのか
絵ではない何かを見ているのか
わからない
声を聞いていたのだろうか
もしかしたら
ただ そこにいたかっただけ
なのかもしれない

山が見える丘の上で
遠くを見る
山を見ているのか
山ではない何かを見ているのか
身動きひとつしない
匂いを嗅いでいたのだろうか
もしかしたら
ただ そこにいたかっただけ
なのかもしれない

隣に君がいる
君を感じる
もしかしたら
ただ 一緒にいたかっただけ
なのかもしれない

孤独ではない

人に会うのが面倒くさい
人との関係が煩わしい
周りに合わせるなんていやだ
だから ひとりがいい

周りに興味がない
他人に興味がない
人間に興味がない
だから ひとりですごす

振り回されたくない
流されたくない
自分に正直でいたい
だから ひとりで考える

好きなように暮らす
プライベートのことは話したくない
自分のペースを守りたい
だから ひとりを大事にする

干渉されたくない
優しい気持ちでいたい
傷つけられるのも傷つけるのもいやだ
だから ひとりは嫌じゃない

自分ひとりで遊ぶ
自分だけで楽しむ
夢や幻を見る
だから ひとりは嫌じゃない

自由に 思いつきで
好きなように 感じるままに
そんなことを考えていたら
孤独という言葉が浮かんできた

でも僕は孤独ではない
君はいま 眠っているけれど
そばに君を感じるから
ひとりでも ひとりではない

恋愛と結婚

まず恋愛してから
恋人と結婚するというのが
いいというのなら
まず見合いしてから
見合い相手と恋愛をするというのも
いいではないか
まず結婚してから
結婚相手と恋愛をするというのも
いいかもしれない
なんといっても昔は
まず結婚してから
結婚以外で恋愛をするしかなかたのだから

恋愛は自分のため
結婚も自分のため
というけれど
相手のために結婚する人がいて
家族のために結婚する人もいて
他人のために結婚するなんていう人もいた

恋愛は今の幸せのため
結婚は将来の幸せのため
というけれど
将来の幸せのための恋愛もあるし
今の幸せのための結婚もある

恋愛で 嫌な事があったら
別れればいいというけれど
結婚していたって 嫌な事があったら
別れればいい
結婚したら 嫌な事があっても
乗り越えなければならないというけれど
恋愛中だって 嫌な事があっても
乗り越えなければならないのは一緒だ

恋愛だろうと結婚だろうと
うまく行くときはうまく行き
うまく行かないときはうまく行かない
お互いがお互いを好きで
お互いがお互いを尊重して
一緒にいれば
それでいい

君がいれば
それでいい

樹木の 根から上の方に伸びて枝を出す太い部分を
幹という

幹は 大きく広がった枝とその先の葉を支えていて
どっしりしている

風が どんなに葉を揺らし 枝を揺らしたとしても
しっかり立っている

人が そばに来て寄りかかっても
文句ひとつ言わない

僕は 幹のようになりたい
なれないのは わかっているけれど

聡明さは 愛の最大の敵
聡明な人に 愛は似合わない
はたしてそうだろうか
聡明さは 愛の味方ではないのか

不完全なのは いけないことか
不完全だから 成長する
もし完全なら 生きてはいない
そう 不完全だから 愛する

不完全さを 喜ぶ
宇宙は不完全
僕も不完全
だから 不完全さを 愛する

花を摘んではいけない
花を摘めば 花は死ぬ
愛も消える
愛しているなら 摘んではいけない

愛は感謝するもの
所有するものではない
生きるのは 愛するため
愛するのは 生きるため

木の葉が風にそよぐ 枝が揺れる
幹は揺れない 樹皮も揺れない
根は揺れを感じているのか
根を包む土は 愛を知っている

いろいろな葉がある
健康な葉 病気で弱っている葉
美しい葉 美しくない葉
大きな葉 小さな葉

どの葉も 風を感じる
どの葉も 悩む
どの葉も 喜ぶ
どの葉も 愛する
そして 死ぬ

君のことを いいと思う
君をしっかり繋ぎ止めておかなくちゃって思う

自分を愛し
君のことをきちんと愛する

君と一緒にいるのは
なによりも大切

君がいて 僕が生きている
君はきっと どこにも行かない

普通の日

素敵な一日があれば
それでいい
その日のことをずっと思うことができたら
もうそれで十分

完璧な一日? パーフェクト・デイ?
いや違う
完璧な一日である必要はない
特別なものではない
平凡な
普通の日
たとえば並んで歩くとか
一緒に海を眺めるとか
そんなことができたら
それでいい

公園でサングリアを飲むとか
暗くなったら家に帰ってとか
そんなのもいいけれど
その日に何をするかは
あまり問題じゃない

どこに行くか
何を見るかなんて
どうでもいい
素敵な一日って感じられればいい
心で感じれば
それでいい

今日をその素敵な一日にすればいい
向日葵が咲いていて
陽の光が暖かく感じられて
それだけでいい

向日葵は綺麗だ
戸惑いも躊躇もなく一斉に太陽のほうを向く
まるで神を見上げる人の群れのように
ただひたすら太陽を見る

なにかを見るときも同じ
ただひたすら見る
目をそらさずに
じっと見つめる
まるで向日葵みたいに

目の中を見つめられても
視線を合わせられずに
遠くを見るしかなくなる
空を見るしかなくなる

空も眩しい
きれいで
ずっとは見ていられない

近くを見る
ほら
草が
波を打ってる
まるで海の波みたいだ
風に揺れて
ほら
波の音がする

あっ
目が合った
目をそらさないで
笑って

ふっ
ちゃんと笑う
いい顔で笑う

草の波でなくて
本当の波を見よう
海の波を

海は近い
その路地を抜けていけば
すぐだ
ほら
海の感じがする

海が見えてきた
海だ
わあ
海だ

ずいぶん歩いたから
方向感覚も失くしてしまったけれど
そうか
海に向かってたのか

あっ と言って
影を見る
こっちが南
方向感覚は失くしようがない

海岸線だ
どこまでも続いてる
すごい すごい
気持ちいい

海は何度も見たけれど
なんだか新鮮な感じだ
すべてが違って見える
白い雲のかたちも
空の青さも
前に見たのとは違う
ぜんぶ違う
僕も違う

隣にきみがいて
海が広がっていて
ここに僕がいて

なにもかもが変わり続けている世界では
なにもかもが時と共に変わる
同じものなどなにもなく
同じことなど二度と起きない

誰もが生まれてから死ぬまでずっと変わり続け
なにもが永遠に新しい
太陽が暖かい。
そう
太陽は誰にも優しい
空は青い

君といて
僕には素敵な一日
十分な一日

そんな日がたくさんあって
たくさんが あたりまえになって
何年も 何十年ものあいだ
あたりまえがたくさんあったら いい
陽のひかりを感じられたら
暖かさを感じ合えたら いい
普通の一日が集まって
素敵な年月になる

優しさ

ずっと一緒にいられたらいい
一緒にいたあとで
優しさが情熱を包み込む
そんなふうになれたらいい

情熱は過ぎると危険だから
優しさで包まないといけない
なんにもしないで
自然にそうなったらいい

大事にして 大事にされて
それが続いて 優しさが広がって
なんにもしないでいても
情熱を包み込んでしまえばいい

時が経てばきっと
情熱的ではなくなる
その代わりに
優しさでいっぱいになる

優しくなれるかとか なれないとか
そういうことじゃなくて
優しくなる
そうなればいい

一緒にいて お互いに正直でいて
嘘が必要なくて 信頼し合っていて
疑うことがなくて 思いやりがあれば
辺りは優しさでいっぱいになる

正直さなんてどこにもない
だからこそ正直さに惹かれる
お互いに正直でいられたらって
そうなれたらいいって 心から思う

正直でないといけないっていうんじゃない
こうでないといけないっていうのでもない
そんな感じでは 優しさには包まれない
思い合っていなければ 優しさは生まれない

お互いが好きだというのは大事だが
それだけではなくて
相手がなにをしたいのかって考えたり
体調を気遣ったり 気遣われたり
そういうことも含めて 思い合う
いつもじゃなくていいから お互いのことを思う
そういうことも大事ではないか

二人が今より良くなって
美しいものを心で感じるようになって
なんでも許せるようになって
暖かいところで優しくなる

そうなればいいんじゃないかって
そう思う

ロマンティックな恋

ロマンティックな恋がいいという人がいる
でも ロマンティックな恋が
そんなにいいのだろうか

リアリスティックな愛より
ロマンティックな恋のほうが夢があっていい
そう思うのだという

ロマンティックな恋って どんな恋なのか
どきどきがあって 仲の良さもあって でも 将来の約束はない
そんなものなのだろうか

ロマンティックな恋に 約束は似合わないという
どこに住むとか 家事の分担はどうするとかは 確かに似合わない
でも 現実の話は 大事ではないのか

どこまでも現実離れしているロマンティックなだけの恋は
それ以上ないくらい甘く その時だけ ありえないほど美しい
そして 毎日の暮らしとは 遠くかけ離れている

でも ロマンティックなだけの恋は
ほとんどが あまり素敵に終わらない
気持ちが強すぎて 手に負えなくなってしまうことも多いのだ

情熱的に見える恋は のめり込むと病気のようになる
嫉妬深いのや 相手を確かめたりする恋は 愛とはいえない
相手をちゃんと見ないで 気持ちを考えなければ 愛は育たない

情熱的になりすぎた人の恋は 失恋で終わる
失恋を美しいと思ってしまうと
何度も同じことを繰り返す

大人になるという言葉があるけれど
大人になって 恋と上手に付き合えるのなら
ロマンティックなだけの恋をするのもいい

子どもっぽい人には重すぎる恋も 大人には そうは重くない
だから
ロマンティックな恋も きっとそんなに悪くないのだろう

ロマンティックな恋に憧れる人は多い
でもその人たちは
刹那の恋から得るものは少ないと知っているのだろうか
恋と遊べば 代償は大きいと わかっているのだろうか

恋が愛に変わるのが理想だという
でもそれは
見合いで始まった関係が愛に変わるのよりも難しい

ロマンティックな恋がそんなにいいと思うのなら
一生 ロマンティックな恋を夢見ているといい
自分に酔っている自分を 夢見ていればいい

ロマンティックな恋で始まり 思い合う愛で終わる
そんな 小説や映画のなかのことを 夢見ていると
続くものも終わってしまう

思い合って 助け合って 見つめ合う愛のほうが
ロマンティックな恋よりも ずっといい
人は死ぬから 愛にも終わりは来るけれど でもずっといい

ロマンティックな恋よりも 愛を選びたい
暖かい愛 慈しみに満ちた愛 許し合える愛 死んでも終わらない愛
君への愛

夢のようなもの

恋も愛も 誤解と錯覚と思い込みと変な期待の集合体だという
言葉を間違って理解する誤解
実際とは異なる認識による錯覚
相手を好きになったという思い込み
相手がこちらのことも好きになったという期待

都合のいい誤解と錯覚が絡み合って広がり
都合のいい思い込みと変な期待が膨らんで
大きくなる必要のない恋や愛が大きくなる
いろいろなことが集まって恋や愛になる
だから恋も愛も ぼんやりとしか見えてこない

恋も愛も 誤解と錯覚と思い込みと変な期待だなんて
そんなことを聞いて嬉しい人はあまりいない
そんなのはイヤだなっていうことになる
恋も愛も もっといいものじゃなきゃ イヤだ
ほんとうのものじゃなきゃ イヤだ

だったら もっといい恋をすればいい
ほんとうの愛をつかめばいい
もっといい恋 ほんとうの愛
それならみんな喜ぶのだろうか
でも いい恋も ほんとうの愛も 誤解と錯覚だ

そんなに素敵でない人が とても素敵に見えたり
その人のためにすべてを失ってもかまわないと思ったり
その人と二人だけでいられれば あとはなにもいらない
そんなのは 幸せだけれど やっぱり みんな 誤解と錯覚
日々の暮らしの確かさとは やっぱりなにか違う

それが恋だし 愛なのだから
誤解や錯覚があるから魅力的なんだって思って
思い込みと変な期待があるから夢みたいなんだって思って
だから恋したいって思えないか
だから愛を手に入れたいって思えないか

時や所が違えば 恋とか愛とかの意味も違ってくる
男が やりたい というのを
愛してる という場合もある
女が 結婚したいというのを
愛してるっていう場合もある

昔は かなし という話し言葉に
愛 という文字を当てた
かなし は いとしい いとおしい かわいい
そして 守りたいという思いを抱くこと
愛 にはそんな意味があった

そこに ヨーロッパから
ラブとかアムールとかいった
訳の分からない概念が持ち込まれて
それに恋とか愛とかいった文字を当てたから
変になってしまった

恋とか愛とか口にしていても
みんなが同じことを意味してはいない
みんなが自分に都合よく理解している
だから 誤解や錯覚でいい
どうせ実態はないのだから

そう 恋も愛も
はじめから実態がない
迷路の庭園に迷い込んだみたいに
万華鏡のなかに入ったみたいに
夢のようなものなのかもしれない

五感

静かな場所は好きだけれども 音のない世界は いやだ
母の耳が老いてから聞こえなくなったせいもあるけれど
水の音も風の音も聞こえないのを想像すると つらい

落ち着いた照明の場所は好きだけれども 光のない世界は いやだ
真っ暗な闇の中に閉じ込められた夢を見たせいもあるけれど
君の目も君の唇も見えないのを想像すると つらすぎる

五感がなんだったかは すぐには思い出せないけれど
君の声を聞いて 君の顔を見て 君の匂いを嗅いで
君とのキスを味わって 君の肌に触れるのを想像してたら
五感だけでなく 他の感覚も欲しくなってきた

五感以上の感覚を持って森に入って 木や石とわかり合えたら
五感以上の感覚を持って山に登って 鳥や水とわかり合えたら
五感以上の感覚を持って君を抱きしめて 君とわかり合えたら
どんなにいいだろう

五感以上の感覚がきっとある
想像するのよりずっとたくさんの感覚がある
そんな感覚を研ぎ澄まして眠れば
きっといい夢を見ることができる

でも今夜は五感だけでいい
五感をぜんぶ使って君と眠ろう
きっといい夢を見ることができる
そう思う

なんにもできない

認められたいとか、好かれたいとか、愛されたいとか思うのは、変なことじゃない。嫌われたくないというのも、不安になるのも、自然のことじゃないかしら。
うん。僕にはそういうところがあるかもしれない。
いい男だと思われたい、いい女だと思われたい、いい子だと思われたい、いい親だと思われたい、いい部下だと思われたい、いい上司だと思われたい、いい友達だと思われたい、いい同僚だと思われたい… 
それは、いけないことだろうか?
いけなくはないけど、でも、そんなことばかり考えていたら、なんにもできなくなってしまう。
なんにもできない?
子どものために自分のしたいこともしないで生きる。子どもが大きくなって、またその子どものために生きる。そんなことが繰り返されて、いったい誰が自分のために生きるのかって。よく、そう思うの。
人のために生きるのって、大切なことだと思うけど。
余計なことは考えないでいいんじゃない?
余計なこと?
まずは、自分のために生きる。自分を大事にする。自分の気持ちに素直になる。そうすれば、不安はなくなるわ。
そういうものかな?
ええ。人は必ず死ぬでしょ。生きているあいだは、認められたいとか、愛されたいとか、いろいろなことを思うけれど、そしていろいろなことをするけれど、最後にはみんな死ぬ。だから、なにをしてもいいの。どうせ死ぬのだから。
どうせ死ぬ?
違う?
なにをしてもいい?
そう。好きな人には好きだって言えばいい。好きな人に思いが通じなかったら、泣けばいいじゃない。好き合った人の気持ちが変わったら、悲しめばいい。それでいいじゃないの?
それでいい?
ええ。いいこともあれば、悪いこともある。それでいいじゃない?

雨の滴

雪の結晶が
天からの手紙
なら
雨の滴
天からの語らい

雪の結晶が
地の装い
なら
雨の滴
地の沐浴

雪の結晶が
木々の宝石
なら
雨の滴
木々のささやき

雪の結晶が
君の夢
なら
雨の滴
君の涙
じゃなくて
君の愛

初恋

初恋って、いいものじゃないの? つらいとかじゃなくて、病気とか傷とかじゃなくて、もっと暖かくて、もっと大きくて、ずっといいものだと思うけど。
いいもの?
そう、いいもの。初恋って、不思議なのよね。相手はどこにいても、どんなときにも浮かんでくる。林檎の皮をむいているとき、お湯が沸くのを待っているとき、停留所でバスを待っているとき、お茶を飲んでいるとき。そんなときに、ふって浮かんでくる。
そして消える。
ううん、消えない。お茶を飲んでいるときに浮かんで来たら、お茶を前にゆっくりと目を閉じるの。すると、瞼の裏に涙を感じて、あの人の顔がぼやけてきて、ああ幸せだなあって。
顔がぼやけてきて、幸せ?
ええ、そう。
初恋っていうと、不安しか思い出せないのだけれど。初恋のとき、不安ってなかったの?
不安?
うん。
この幸せがなくなったらどうしようって、そういうの?
そう、そういう不安。
そうね、あの人がいなくなったらって、私を残して行ってしまったらって、そういう不安はあったかも。
ねえ、それって、つらくなかった?
あの頃は、恋がいつかは終わるものだって、そんなことも知らなかったから。恋はいつまでも続くものだって思っていたから、不安はそんなには大きくならなかった。あなたは?
不安? 大きかったよ。もっとも僕の初恋ってぜんぶ僕の妄想かもしれなくて。だからそこに恋があったかどうかは定かではないんだけれど、でもなくなるのはとっても不安だったんだ。はじめからないものが、なくなるというのも変な話だけどね。でも、いつも不安だった。
ふーん。幸せっていう感じはなかったの?
不安ばかりだったかな。なくなるかもっていう不安。そしてなくしてからのつらさ。いずれにしても、幸せからはほど遠い感じがする。
そうなの? 私はね、うーん、不安とかつらさとかがあったとしても、それを含めての幸せだったから。それも含めて初恋っていいなって思ってたから。

恋愛

*--
「親しみ」という言葉で表されるのは異性の仲の良い友達
 友達ではなくても精神的な繋がりが強い

-*-
「ときめき」という言葉で表されるのは恋人
 恋人ではなくても肉体的な繋がりが強い

--*
「ちぎり」という言葉で表されるのは結婚の相手
 結婚はしてなくても誓い合った繋がりが強い

✕✕✕ 林檎 無実(むなしさ)
「親しみ」と「ときめき」と「ちぎり」のどれもがないと
 片想いの初恋だったり 終わりかけた恋への不実だったりで
 どうにも こうにも つらい

〇✕✕ 檸檬 純心(とまどい)
「親しみ」だけがあって「ときめき」も「ちぎり」もないと
 仲良くて 純真で 近くて 親密で 身近で 親しくて 気やすくて
 なにか どこか せつない

✕〇✕ 木苺 情熱(ときめき)
「ときめき」だけがあって「親しみ」も「ちぎり」もないと
 ときめいていて どきどきして 期待して 思って 狂おしくて
 喜びと不安が 入り混じる

✕✕〇 柘榴 不信(やくそく)
「ちぎり」だけがあって「親しみ」も「ときめき」もないと
 誓い合っていて 信頼していて 約束があって 心配がないけれど
 なにか もの足りない

✕〇〇 葡萄 熱愛(それだけ)
「ときめき」と「ちぎり」があって「親しみ」だけがないと
 望まない愛に魅せられ抱き合って ふたりで見ている短い夢は
 もう帰れない悲しみのよう

〇✕〇 蜜柑 慈愛(やさしさ)
「親しみ」と「ちぎり」があって「ときめき」だけがないと
 穏やかな愛がいいと言いながら 激しい気持ちは内に抑えて
 静かな愛を貫こうとする

〇〇✕ 苺  純愛(ゆめかも)
「親しみ」と「ときめき」があって「ちぎり」だけがないと
 いつまでも子どもみたいじゃダメだと涙ぐみながら
 純愛の奇跡に感謝する

〇〇〇 桃  流転(そのあと)
「親しみ」と「ときめき」と「ちぎり」が全部揃っていると
 変わらぬ愛を願っても 昨日の水は もう遠く川下に流れゆき
 永遠はないと知る

君はこれらのうちのどれだろうと考えてみたら
ぜんぶだって気がついた
ぜんぶって万華鏡みたいで
いいね

人間も動物なのに

人間もただの動物なのに
人間だけが特別だと思う人がいて
オスとメス男と女 とは違うのだという
人間の愛は崇高だとか
人間の愛は永遠だとか
オスとメス だって惹かれ合うのに
人間だけを特別に見る
人間も動物なのに

動物の生死はただの生存競争だから
人間の生死のような尊さはないという
一人の生命は地球より重いなどと言い
死ぬべき人を生かしてなにも感じない
次の瞬間に踏まれてしまう蟻や
弱れば食べられてしまうシマウマは
自然のルールに従って生きて死ぬ
人間のように寝たきりになっても生きていたり
植物状態になっても生き続けたりはしない

ゲノムをコピーする時のミスだとか
コピーするときに起きたエラーとかで
種が劣化するのを防ぐため
適応できてない個体を壊してなくし
適応できる個体を作り直して残す
そうすることによって動物は
環境の変化に対応した個体を生み出して
命を繋いできたという

生まれたものは必ず死んで
生きる死ぬが繰り返されて
個体はどうでもいいように見えて
それでも個体は生きていて
命は輝いていて
命を繋がない個体たちも
もう役目を終えた個体たちも
一生懸命生きていてる

人間の命が尊いというのなら
動物の命も同じように尊い
植物の命も細菌の命も尊いはず
ウィルスにも命があると思うはず
人間の命の尊厳を謳うなら
生物の命の尊厳も謳ったらいい
人間の権利を口にする人には
生物の権利も考えてほしい
人間の健康を口にする人には
生物の健康を考えてほしい

人間が強くなりすぎて
人間が多くなりすぎて
人間の出すゴミは異臭を放ち
人間の周りからは美しさが消えてゆく

人間のエゴが消えた日に
人間はもう一度人間に戻って
自然の美しさのなかで
命を懸けて生きる
そうなったときに人間は
輝きを取り戻し
体の底から声を出し
心の底から愛を言う

素朴な愛

複雑な愛はいらない
素朴な愛がいい
日常を大事にするような
繰り返しを大事にするような
そんな愛がいい

観念の世界で遊んでいる
どこかの作家とか
時流の言説に乗っている
あの思想家のようには
ならないようにしなければ

言葉にしない ありがとう

今日は記念日
昨日までの良いことばかりを思ったり
悪いことばかりを思ったりではなく
明日からを楽観的に考えるのでも
悲観的に考えるのでもない
今日を祝う
ひたすら今日だけを祝う

明日も記念日
明日になったら
ひたすら明日という日を祝う

明後日も記念日
明後日になったら
ひたすら明後日という日を祝う

そう
毎日が記念日
毎日
ひたすらその日を祝う

毎日が記念日で
毎日記念日を祝って
毎日君に感謝して
毎日君の笑顔を見る

毎日が記念日でも
なにも困りはしない
心のなかで
ありがとうと言う

ありがとう

恋愛と約束

短い時間で燃え上がって出来た関係はドラマチックで
終わるのも早い
長い時間をかけて出来上がった関係は安定していて
長い日常が続く

独占欲や嫉妬のある刺激的な愛
安定した関係が続く穏やかな愛
愛のかたちは選ぶものではなくて
自然にできあがる

恋愛のふわふわしたイメージが
私たちの周りに溢れている
イメージはどれもドラマチックだけれど
実際の恋愛の多くは日常的だ

恋愛にたどり着けない人だって
たくさんいるし
たどり着けたからといって
思い描いたようになるとは限らない

ときめきとか情熱という
そんな言葉に象徴される恋がある
その時その時には人生で一度だけの恋だと思い
恋が終われば人生は終わりだと思いつめる
それなのに
人はまた違う恋をする
なんていい加減なと思う
でも
そのいい加減さは救いでもある
恋による不安や絶望から人を救ってくれるのは
いつもいい加減さと次の恋なのだ

親しみとか優しさという
そんな言葉に象徴される愛もある
愛があるのに気付かない人
ないのにあると思い込んでいる人
愛なのかただの錯覚なのか
その辺のことは誰にもわからない

人が変わり続けるとすれば
愛もまた変わり続ける
変わらぬ愛を願うのは
いつまでも生きたいと願うのと同じ
時と共に成長する愛を
育むことができなければ
変わらぬ愛を願って
傷つくしかない

終わってしまう恋や不安定な愛を
なんとか繋ぎ止めようとして
人は永遠の契りを結ぶ
ある人は結婚という形を選び
ある人は永遠の愛を誓う
けれどどんな約束も
祝福は続かず破れてしまう

責任を背負ったとしても
背負い続けることはできない
時が流れ すべてが変わり続けるなかで
恋だけが変わらないわけはない
愛だけが永遠に続くなど
ありえないのだ
恋は病気のようなものだという
愛は幻想だという人もいる
約束はいつか破られ
契りは忘れられる
それでも人は恋をし
愛を求める
約束をし
誓い
契りを交わす

恋も愛も
知れば知るほどわからなくなる
先人たちの名言を集めても
なんの役にも立たない。
恋や愛や約束の断片を書いたところで
なにもわからない

恋と愛と約束が織りなす模様は
驚くほど複雑だ
恋はときめきと情熱の色
愛は優しさと親しみの色
約束は契りと永遠の色
そういった色が
補う色や反対の色を内包しながら
予期せぬ模様を作り出す
まるで乱数が作ったかのような
意味のない複雑な模様を
ただただ楽しめたらいいのだけれど
なかなかそうはいかない

恋も愛も約束も
そんなに簡単ではない
恋は夢だと悟り
愛は幻だと気づき
約束は破られると知っても
私たちは恋を信じ
愛を信じ
約束を信じる

長いとは言えない人生のなかで
誰かに恋をし
誰かを愛し
誰かと約束を交わせたら
どんなにいいだろう

恋とか愛とかの不思議な感情や非論理的な行動は
私たちの心をとらえて離さない

決して結ばれることがないという悲劇に涙し
心から愛し合うふたりという純愛に感動する
戦争となれば平気で人を殺す人間が
恋をし
愛や平和を語る
こんな変なことが他にあるだろうか

恋も愛も
民主主義や人権のように
西洋から来た言葉のように思える
どちらも私たちのものでない
そう言いながら
源氏物語の世界にはいり込む
光源氏の世界は
外国のように遠い

長い時間のあとで
それでも愛してると言えたらいい

結果はどうであれ
誰かに恋をし
誰かを愛し
誰かと約束を交わせたら
そんなことが一度でもあれば
その人生はいい人生と言っていい
そう思う

変わってしまうもの

それほど大切だと思うのなら
過去を悔やんだりしないで
思い出したりもしないで

好きな君のことだけを想う
それだけで

続いてほしいと願っていても
変わらないものはどこにもないから
どんなことにも終わりが来る

でも君のことだけはと
言いかけて

飯間浩明

 国語辞典の面白い説明の例としてよく挙げられるのが、『新明解国語辞典』の「恋」です。次のような長い説明です。〈特定の異性に深い愛情をいだき、その存在が身近に感じられるときは、他のすべてを犠牲にしても惜しくないほどの満足感、充足感に酔って心が高揚する一方、破局を恐れての不安と焦燥に駆られる心的状態〉(第7版)。ずいぶん激しい感情ですね。おそらく編纂者の性格が反映された説明なのでしょう。
 私の携わる『三省堂国語辞典』(三国)の「恋」も負けてはいません。〈人を好きになって、会いたい、いつまでも そばにいたいと思う、満たされない気持ち(を持つこと)〉(第7版)という説明。この〈満たされない気持ち〉というせつない感じを気に入ってくれる読者も多いんです。「恋」とは、そこにいない人などを慕う、さびしい気持ちが元の意味であり、この説明には根拠があります。
 『三国』の「恋」の説明で注意したのは、「男女の間で」とは書かない、ということでした。恋愛が男女間だけのものでないのは当然だという理解が、近年ようやく広まってきました。辞書も世間一般の考え方に歩調を合わせるのが望ましいでしょう。

 室町時代末期、日本に来た宣教師の作った辞書では、西洋語の「愛」に当たることばが、日本語で「大切」と訳されました。愛の本質が「大切に思う気持ち」というのは、昔からのことだったのです。

三省堂国語辞典

こい【恋】 人を好きになって、会いたい、いつまでも そばにいたいと思う、満たされない気持ち(を持つこと)。「━に落ちる」

新明解国語辞典

こい【恋】 特定の異性に深い愛情をいだき、その存在が身近に感じられるときは、他のすべてを犠牲にしても惜しくないほどの満足感、充足感に酔って心が高揚する一方、破局を恐れての不安と焦燥に駆られる心的状態。

馬締

こい【恋】

ある人を好きになってしまい、
寝ても覚めてもその人が頭から離れず、
他のことが手につかなくなり、
身悶えしたくなるような心の状態。

成就すれば、
天にものぼる気持ちになる。

大渡海

こい【恋】

人を好きになり、
いつまでもそばにいたいと思う気持ち:
「少年は━を知り、
はじめて胸の痛みを知った」

Stefania Rousselle

Where was the love? I couldn’t see any. I couldn’t feel any. I was paralyzed with sadness and I needed to find a way out. So I decided to give myself one last chance. I was going to get into my car and drive. I was going to see for myself if there was any love to find out there. I was going to ask people: What is love?
Imagining France as the land of love has a powerful pull on us; popular culture has used Paris as a shorthand for romance for what feels like an eternity. This myth impedes our understanding of what love is. Love in France is not always romantic. It is not always forever. It is just sincere, human. It is pain, and it is joy. It is sadness and it is healing.

Jane Austen

How pleasant it is to spend an evening in this way! I declare after all there is no enjoyment like reading! How much sooner one tires of anything than of a book! When I have a house of my own, I shall be miserable if I have not an excellent library.

Barbara Pease, Allan Pease

Ten Reasons Why Sex Is Good Medicine

  1. Sex cures mild depression by releasing endorphins into the bloodstream, producing a sense of euphoria and a feeling of well-being.
  2. Sex is a natural antihistamine. It can help combat asthma and hay fever. No one ever gets a stuffy nose during lovemaking.
  3. Lovemaking can burn up those calories you piled on during that romantic dinner.
  4. Sex tones up just about every muscle in the body, and it’s more fun than swimming twenty laps.
  5. When women make love, they produce large amounts of estrogen, which makes hair shiny and skin smooth.
  6. The more often you have sex, the more sex you will be offered. A sexually active body secretes large quantities of pheromones. These subtle sex perfumes drive the opposite sex crazy.
  7. Sex is around ten times more effective as a tranquilizer than Valium.
  8. Kissing encourages saliva to wash food from the teeth and lowers the level of the acid that causes decay and plaque buildup.
  9. Sex relieves headaches by releasing the tension that restricts blood vessels in the brain.
  10. Gentle, relaxed lovemaking reduces your chance of suffering dermatitis, rashes, and blemishes. The sweat produced cleanses the pores and makes the skin glow.

受刑者

「いいんだよ」
「がんばったね」
「よくやった」
この言葉が ほしい
この言葉が ボクを幸せにする
「お前はアカン」
「でき悪い」
「お前はいらない」
この言葉は いらない
この言葉は ボクを不幸にする
嫌な言葉を言われると 自信をなくし
自分自身が嫌になる
好きな言葉を言われたくて 行動し
ボクは ボクを見失う
一つ一つの言葉が ボクを造る
一つ一つの言葉が ボクを壊す

Primo Levi

Perfection belongs to narrated events, not to those we live.

This cell belongs to a brain, and it is my brain, the brain of me who is writing; and the cell in question, and within it the atom in question, is in charge of my writing, in a gigantic minuscule game which nobody has yet described. It is that which at this instant, issuing out of a labyrinthine tangle of yeses and nos, makes my hand run along a certain path on the paper, mark it with these volutes that are signs: a double snap, up and down, between two levels of energy, guides this hand of mine to impress on the paper this dot, here, this one.

Maxine Aston

Things that could help to make her happy

  • Smile when you greet her.
  • Compliment her on her looks, clothes or something she has done.
  • Buy her flowers/chocolates/fruit/gifts.
  • Buy and write a nice card to go with your gift.
  • On special occasions always write a special message. which includes telling her that you love her.
  • Tell her you love her at least once a day.
  • If she is crying or upset give her a hug without necessarily saying anything.
  • Never presume a hug means sex.
  • When you hug or kiss her, try not to think about anything else but her.
  • Try not to interrupt her when she is talking to you.
  • Try not to correct her if she mispronounces a word or uses the wrong word.
  • Try not to correct her if she exaggerates when in company.
  • Explain beforehand that you may at times have to be alone or leave the room.
  • Find another way to express feelings if words are difficult for you to find.
  • If you feel overloaded leave the situation and resist becoming reactive.
  • Do not presume she is being critical; ask her first before assuming.
  • If she asks for your opinion on something sensitive, suggest she asks a friend.
  • Agree to a compromise on how much quality time you spend together.
  • Limit the time you spend on the internet or with your special interest.
  • Do not even begin to explore porn on the internet; you may soon be drawn in and displease her.
  • Do not expect her to participate in your particular routines.
  • Do not force your need for structure and inflexible plans on her or your family.
  • If you collect things then agree to a limit on the space you can use for those things.
  • Encourage her to spend time with friends and family, as it is a form of social and emotional food to her.
  • Ask her to write down any errands or tasks she wants you to do.
  • Do not be tempted to fix her problems unless she asks for your help.
  • Sometimes she will just want you to listen and not try to solve anything.
  • Give her your time and attention, making her feel close to you.
  • Tell her you love her when you make love.
  • If you have children, remember that they are the responsibility of both of you.
  • Come to an agreement on how chores and childcare are divided between you.
  • Try to have fun with the family and laugh with them.
  • Check with her how your child is doing in respect of their ability to perform certain tasks or their mental processes.
  • Do not alienate yourself from the family; find something you can share with them.
  • Agree a time that you can share with the children, doing things together or sharing an interest.
  • Believe and trust that she loves you; accept and thank her for being in your life.

Paul Bloom

For the last couple of years, when people ask me what I’ve been up to, I say that I’m writing a book. They ask for details and I tell them, “It’s about empathy.” They tend to smile and nod when I say the word, and then I add: “I’m against it.”
This usually gets a laugh. I was surprised at this response at first, but I’ve learned that being against empathy is like being against kittens—a view considered so outlandish that it can’t be serious. It’s certainly a position that’s easy to misunderstand. So I’ll be clear from the start: I am not against morality, compassion, kindness, love, being a good neighbor, being a mensch, and doing the right thing. Actually, I’m writing this book because I’m for all those things. I want to make the world a better place. I’ve just come to believe that relying on empathy is the wrong way to do it.
One reason why being against empathy is so shocking is that people often assume that empathy is an absolute good. You can never be too rich or too thin … or too empathic.

Steven Pinker

The Old Testament tells us to love our neighbors, the New Testament to love our enemies. The moral rationale seems to be: Love your neighbors and enemies; that way you won’t kill them. But frankly, I don’t love my neighbors, to say nothing of my enemies. Better, then, is the following idea: Don’t kill your neighbors or enemies, even if you don’t love them.

Elaine Aron

But what seems ordinary to others, like loud music or crowds, can be highly stimulating and thus stressful for HSPs.
Most people ignore sirens, glaring lights, strange odors, clutter and chaos. HSPs are disturbed by them.
Most people’s feet may be tired at the end of a day in a mall or a museum, but they’re ready for more when you suggest an evening party. HSPs need solitude after such a day. They feel jangled, overaroused.
Most people walk into a room and perhaps notice the furniture, the people—that’s about it. HSPs can be instantly aware, whether they wish to be or not, of the mood, the friendships and enmities, the freshness or staleness of the air, the personality of the one who arranged the flowers.
If you are an HSP, however, it is hard to grasp that you have some remarkable ability. How do you compare inner experiences? Not easily. Mostly you notice that you seem unable to tolerate as much as other people. You forget that you belong to a group that has often demonstrated great creativity, insight, passion, and caring—all highly valued by society.

Agnes Heller

Young Plato fell in love with Socrates, but Socrates was ugly. One cannot fall in love with the ugly; one loves only the beautiful. Plato could not say that he fell in love with the wise one who happened to be ugly. Thus, he proclaimed that his beloved was beautiful, superior in beauty to anyone else considered beautiful by the ignorant. One says, “This is not beautiful, but something else is beautiful,” and Plato proclaimed similarly, “This is a lower kind of beauty, but there is also a higher kind.” However, this higher, true and real beauty is invisible to the pedestrian’s eye. Plato, who loved Socrates, is the one who loved the true Beauty, the higher species of the beautiful. His love is more subtle and sublime than the love of any others, for he can see and love the supreme beauty of the invisible spirit and soul; he can see this love with his spiritual eyes. It is young Plato who speaks through the character of Alcibiades in the Symposium: “What [Socrates] reminds me of more than anything is one of those little sileni that you see on the statuaries’ stalls . . . they’re modeled with pipes or flutes in their hands, and when you open them down the middle there are little figures of the gods inside.” But this is just a simile, for the divine picture, the soul of Socrates, is not accessible through the opening of the sileni’s body. Not everyone can open it; only love can perform the miracle. There are two miracles that appear at once: the miracle of beauty hidden behind an ugly mask, and the miracle of love that sees through the mask into the essence of another person’s soul. This is the primal scene of the concept of the beautiful: erôs and kalon, love and the beloved. We love the beautiful—and it is beautiful because we love it.

Sten Sootla

I know that I end up boring you with all the random topics I bring up during our calls, but I only do it to hear your voice just a while longer. More than anything, however, I know how long it takes to muster up the courage to take your hand and kiss you. It took me 10 years.
Some may think that knowing these things is of little value. “Small matters”, they say, “what use of this knowledge compared to knowing the formulas of physics, the equations of the Universe?” I let them be. Millions of people can work on such equations for thousands of years, nature is not going anywhere. It is you, however, who’s fleeting, and only a select few have the opportunity to be a part of your life. Thus, it seems far more important to me to crack the equation of you. But please, bear with me. As I said, I’m not particularly great at math.

渡辺由佳里

ディズニー系のおとぎ話やロマンス小説は、結婚がハッピーエンドになっている。だが、現実では結婚は愛の終着点ではない。
会うたびにドキドキするときめき感(英語ではinfatuation)は相手が誰であっても長持ちはしない。同時に自分の良い所だけを見せようとする緊張感はなくなり、伴侶はじきに日常生活の一部になる。
そこに、仕事、親兄弟、家事、育児、病、家計といった現実問題が加わり、ときめきよりも苛立ちのほうが増えてくる。マンネリ化したときに、外部からの誘惑も訪れる。
結婚はロマンス小説ではなく、むしろ、山あり谷あり、危険な落とし穴がたっぷりの冒険ファンタジー小説のようなものだ。登場人物がそのまま無傷に生き残る保証はない。
たまには例外があるだろうが、最初から最後まで同じハピネスを持続できるカップルなんかまずいない。何十年も結婚している夫婦が現在ハッピーで仲良く見えるとしたら、たいていは、運命が与えた苦難を乗り越えてサバイバルした結果なのだ。
多くのカップルは、運命が与えたクエストを一緒に終えることができず、脱落する。

Courtney Maum

I took her other hand. “I knew it the fucking minute I saw you in that stupid bar with your cousin. You are . . . a morethan person, Anne. Goddammit. You are more than a best friend and a wife, you’re more than beautiful, and if I hurt you it’s maybe because I’ve always known and been ashamed of the fact that I am less than you, and always have been.

Her chin trembled. In my hands, her skin was cold. “I will do whatever it takes to prove to you that it will never happen again.”

She bit her lip hard as a tear fell down her cheek. For the first time since I’d reached for her, she squeezed my hand back. “But what do you do about the fact that it happened? What do you do about that?”

I started to cry. “What do I do?” I said, dropping her hands. “What do I do? I don’t know what to do. I did it. I can’t make you love me back.”

“But I do love you,” she cried. “But I can’t get past it! I can’t! I’m so angry and I’m so sad and I’m embarrassed and ashamed and I’m furious at you. I hate you, and at the same time I just want to go back. And I don’t know what to do either,” she said. “I just don’t.”

I looked up at the sky and the buildings and the gargoyles and the sculptures. I looked out at the pyramid and the stupid, spinning carousel in the park beyond. And beyond that, beauty. More beauty everywhere. Lights and boulevards and thoroughfares and people going places and people coming back. And it was sitting there in a place that had been a safe place for us, a place that had always been calming and right, that I realized that if I really loved her, I had to let the decision to stay with me be hers.

こころの探検

恋をすると、ドーパミンとノルアドレナリンのレベルは上がり、反対にセロトニンのレベルは下がります。ドーパミンとノルアドレナリンは、脳のドーパミン経路と関わり、あなたの全ての意識を恋に落ちた人に集中させます。そして、あなたのたった一つの目的は、好きな人の気を惹くこと、その人にも同じように自分を好きになってもらうことになります。この「ケミカル爆弾」は、コカインが体に与える影響と非常によく似ています。ですから、恋に落ちた初めの段階は中毒症状とも言えるでしょう。ドーパミンは、相手のことを全て細かく記憶しようと働き、ノルアドレナリンは自身の中に起こる新しい刺激を記憶します。セロトニンが減ると、強迫観念を持つようになります。

Smartlog

  • 愛は与えるモノ、恋は奪うモノ
  • 愛は自己犠牲で、恋は自己満足
  • 恋は一方的であるが、愛は双方向
  • 愛には真心があり、恋には下心がある
  • 恋は見返りを求めるが、愛には見返りを求めない
  • 恋は突如生じるモノ、愛は二人で育むモノ

Dwight Goodyear

Love can arrive slowly like a golden leaf of autumn, suddenly like a first snow, quietly like a spring shower, boldly like a summer storm.

伊藤野枝

私の最初の自ら進んでした結婚は破れました。それは私にはずいぶん苦い経験です。しかし、この破滅が何から来たかと考えるとき、私はいつも自分に感謝しています。それはただ、私自身の正しい成長の故だといえるからです。そしてこの結婚について自らを責めなければならぬ点は、私があんまり早く結婚生活にはいったからだという事のみです。結婚生活に対する適確な何の考慮をする事も出来ないような若い時に結婚をしたという過失のみです。
事実、私は結婚をするまでは、あるいはしてからでも、どの方面からいってもまだ本当の子供だったのです。
私の恋の火は燃えました。けれども自ら求めて得た火で燃えたのではありませんでした。それはただ行きあたりばったりに出会った火が燃えついたのです。
結婚をするにも、恋をするにも、何を考えねばならないのか、そんな事はまるで知りませんでした。私は夢のように何の苦もなく、考えもなく、好きだと思い、尊敬した男をいっしょになったのです。そして私は男の気に入るように動きました。
でも、私は、それでも強いられて、いやな結婚をする人達から見れば、自分達がどんなに正しい結婚をし、またどんなに幸福だかという事を誇りにしていました。
私のいい加減な選択でも、私はいい男にぶつかったのです。私は勉強をする事も覚え、読んだり考えたり書いたりする事も覚えました。物を観ることも覚えました。私は今日自分で多少なり物が書けたり、物を観たり、考えたりする事が出来るのは男のおかげだと思っています。T――その男を私はそう呼びます――は立派な頭の持主です。もう久しい間知っているほどの人から大分いろいろな批難があります。しかし、私は彼がどんなろくでなしな真似をして歩いているとしても、ちょっとそこらにころがっている利口ぶった男共よりどれほど立派な考えを持っているかしれないと信じています。
彼と結婚をするまではまるで無知な子供であった私は足掛け五年の間に彼に導かれ、教育されて、どうにか育ってきたのです。どうにか人間らしく物を考える事が出来るようになってきたのです。もちろん、彼にばかり教育されてきたのではなく、周囲の影響も充分大きな教育をしてくれたのも見のがす事は出来ません。
しかし、私にそのよき周囲を持たせたのもやはり彼なのです。彼は私をつとめて外に出して私が自分の生長の糧を得る機会を多くしてくれたのです。
が、私がようやく一人前の人間として彼に相対しはじめた時、二人がまるで違った人間だという事がはっきりしてきたのです。そしてこの性格のはげしい相違が、二人のお互の理解をもってしてもふせぎ切れないような日がだんだんに迫ってきたのです。

Giacomo Sartori

These preparations of hers irritate me but I can’t stop watching, I observe her every move, weigh her every sigh. You could call it a maniacal interest if it made any sense in the case of a god to speak of interest, let alone maniacal. You could call it a fixation, which suits me even less. If not an obsession. What’s certain is that nothing like this has happened to me in many billions of years; that’s what floors me. I’ve never felt less divine.

とりいさえこ

「古典基礎語辞典」によると「恋」とは、やまとことばにおいては、離れていて心を寄せている相手にひかれ、しきりに会いたいという切なる心持ちがつのることを表すといいます。特に時間的、空間的に離れている相手に身も心も強くひかれる気持ちを表し、時には比喩的に、対象が動植物や場所になることもあります。また、「恋ふ」というのは身も心も惹かれ逢いたい気持ちが募る、という意なのですが、この思いは相手に働きかける“主体的”なものではなく、相手によって惹きつけられる“受動的”なものであると、古の人たちは捉えていたそうです。なんとも奥ゆかしく、「恋」というやまとことば自体に恋してしまいそうです。

Theresa L. Crenshaw

When you fall in love or in lust, it isn’t merely an emotional event. Your various hormones, each with unique features to contribute, get in bed with you too. In a way, it’s as if there were a corporate decision going on here, with each chemical casting its vote. You may just find yourself outnumbered.

九州アスリート食品

女性は強い愛を感じることによって美しくなっていくのではないかと思う。
女性は不思議な生き物だ。愛の影響が外見にすぐ出るように感じる。
女性は愛が必要であるはずだ。それさえあればキレイになれるのだから。
しかし当たり前だが愛は売っていない。売っていたらどんだけ楽な事だろう。
愛を一度買って魅力的になってしまえば、さらに強い愛を得られ、好循環でどんどん魅力的になるのだから。驚くほどキレイな人は、最初の愛を手に入れて、そこから好循環を起こしている人なのかもしれない。だからまず「売っていない愛」をどう手にいれるかだ。

Rodrigo Mendoza

Though I have all faith so that I could remove mountains and have not love, I am nothing. And though I bestow all my goods to feed the poor and though I give my body to be burned and have not love, it profiteth me nothing. Love suffereth and love is kind. Love envieth not. Love vaunteth not itself, is not puffed up. When I was a child, I spake as a child, I understood as a child, I thought as a child. But when I became a man, I put away childish things. But now abideth faith, hope, love… these three. But the greatest of these is love.

川端康成

「君はいい女だね。」
「どういいの。」
「いい女だよ。」
「おかしな人。」と肩がくすぐったそうに顔を隠したが、なんと思ったか、突然むくっと片肘立てて首を上げると、
「それどういう意味? ねえ、なんのこと?」
 島村は驚いて駒子を見た。
「言って頂戴。それで通ってらしたの? あんた私を笑ってたのね。やっぱり笑ってらしたのね。」
 真っ赤になって島村を睨みつけながら詰問するうちに、駒子の肩は激しい怒りに顫えて来て、すうっと青ざめると、涙をぽろぽろ落した。
「くやしい、ああっ、くやしい。」とごろごろ転がり出て、うしろ向きに坐った。
 島村は駒子の聞きちがいに思いあたると、はっと胸を突かれたけれど、目を閉じて黙っていた。
「悲しいわ。」
 駒子はひとりごとのように呟いて、胴を丸く縮める形に突っ伏した。
 そうして泣きくたびれたか、ぷすりぷすりと銀の簪を畳に突き刺していたが、不意に部屋を出て行ってしまった。
 島村は後を追うことが出来なかった。駒子に言われてみれば、十分に心疾しいものがあった。

Ovid

Love on this side, Hatred on that, are struggling, and are dragging my tender heart in opposite directions; but Love, I think, still gets the better. I will hate, 646 if I can; if not, reluctantly will I love; the bull loves not his yoke; still, that which he hates he bears.
I fly from treachery; your beauty, as I fly, brings me back; I abhor the failings of your morals; your person I love. Thus, I can neither live without you, nor yet with you; and I appear to be unacquainted with my own wishes. I wish that either you were less handsome, or less unprincipled. So beauteous a form does not suit morals so bad. Your actions excite hatred; your beauty demands love. Ah wretched me! she is more potent than her frailties.
O pardon me, by the common rites of our bed, by all the Gods who so often allow themselves to be deceived by you, and by your beauty, equal to a great Divinity with me, and by your eyes, which have captivated my own; whatever you shall be, ever shall you be mine; only do you make choice whether you will wish me to wish as well to love you, or whether I am to love you by compulsion. I would rather spread my sails and use propitious gales; since, though I should refuse, I shall still be forced to love.

Kris Gage

In good love, there’s nothing “to do” except love one another. Every day. And it doesn’t depend on how we feel, because good, healthy love doesn’t hinge on our feelings; it’s a choice. Every day.
Real, healthy love is quiet, not loud. It is calm, not frenzied. It is solid and stable, not flighty or fickle.
Good love is just the everyday — every day.

Kris Gage

When I was 18, I attended a 50th wedding anniversary party. After dinner, the couple stood up and said:

“Sometimes people ask us how we stayed together for so long…”

They laughed, then said:

“The secret is: we never fell out of love at the same time.”

And that’s it; all of it — including the very real implication: sometimes, one of you will fall out of love.

大学生の読書生活

ギリシャの恋愛は人間の欲望を肯定した上でそれを高めていくものである。一方、キリスト教の恋愛は動物的な欲望を悪性と廃し、動物性が浄化されるのは子孫の繁栄を目的とした結婚の時のみとしている。これに対し、日本古来の恋愛は本能+感情である。露骨に言ってしまえば一緒に寝たいという欲望、それに繊細な感情の美学が加わったものが日本の恋愛なのである。
例えば「万葉集」では美しい別離の情や、恋人に久しぶりに会った喜びなどの生活感情を素材にして愛が述べられている。また、「伊勢物語」や「源氏物語」においても、恋愛はただ感情から綴られた。このように、恋愛を哲学や騎士道と結びつけたヨーロッパと違い、日本の恋愛はそれらから隔絶した世界にあり、感情の形でだけ浄化してきた。

Neil Strauss

Now, if I met that person who was 100 per cent deep into The Game [using rehearsed lines and psychological tactics to pick up women], I don’t think I’d like him. But I know I had to be that man to become the person I knew I could be. For me, it was a shallow path to self-esteem.
A pick-up artist gave me a good piece of advice: the three most important things in a relationship are honesty, trust and respect, and if you don’t have those, you don’t have love. I have found that to be true. A friend said recently that you should date someone for a year, live with them for a year, then get engaged for a year before getting married. To me, that seems sensible.

Lily Rouff

Love takes time. If the feelings come too quickly, it is best to proceed with caution. When someone tells you they love you really soon or quickly in a relationship, it’s worth being cautious. The issue is this — how can you really love someone unless you really know them? Instead of waiting to say or hear those three sought-after words, taking an interest in wanting to learn about each other is way more powerful.
You only get to know someone over time, as you see how they behave and treat you in different situations, particularly stressful or difficult situations. A desire to understand your partner means that your interest in them is deep and your intentions pure.

ひかり

求め合う激しさがないと、愛ではない? でも愛って、もっと穏やかで温かいもの。

自分を愛し、相手のこともきちんと愛せる人は、相手からも愛される。
自己愛の延長のような恋愛観の人は、自分のことも相手のことも愛せない。
自分を成長させることは、自分を愛すること。そして相手を愛すること。

相手を自分のものにしようとか、自分の思い通りにしようと思えば、苦しい。
でも、ありのままの相手を受け止めようと思えれば、楽しい。

OG

Love Infatuation
二人の気持ち・相手の気持ちが中心 自分の気持ちが中心
安心 不安
まわりが見えている。現実の状況を把握し、理にかなった判断ができる。仕事・趣味・家族や友人との交友関係を保てる 恋人以外何も見えてない。妄想する。理性よりも感情を優先する。仕事・趣味・交友関係に支障が出る
相手が自分を裏切らないと信じてる 相手が自分を裏切るかが心配
深い安心感と信頼関係、気持ちの安定感、恋人は精神的なエネルギーの源、安心に包まれて熟睡できる、健康的、自分に自信がある 一時的な興奮・快楽(ドラッグのような)、激しい感情の起伏、精神的に疲れやすい、不安で寝れない、不健康的、自分に自信がない
心で感じる 脳と性器で感じる
心と心のつながり優先 体と体のつながり優先
期間が長い。時間と経験とともにゆっくりと成長していくもの。失恋しても気持ちが冷めにくい 比較的期間が短い。急激に熱しやすく、失恋したら冷めやすい
お互いの家族・友達関係もうまくいく 家族・友達に嫉妬する。お互いの交友関係を断ち切って2人だけで孤立する
浮気の可能性は少ない。本能的に感じるかもしれないが(特に男)、それよりも相手を傷つけたくないという気持ちが勝る。2人で作り上げてきた絆・信頼関係を失いたくないという気持ちが欲に勝つ 同じく浮気の可能性は少ない。しかしその理由が違う。まわりが見えていない、その一人に夢中になっているため、他の異性へ興味がわかない。しかし!自分の欲求が優先されるため、浮気する可能性はないとは言えない
何歳でも人を愛せる。しかし相手を知る時間と人生経験が必要。大人の恋愛に多い 特に10代~20代の恋愛や初恋によく見られる
幸せ! Love is Happy. 楽しい! Infatuation is Fun!

OG

アメリカでは「Love」と「Infatuation」を区別します。
日本で言う「愛」と「恋」の区別に似ています。
Infatuationは悪いことではありません。自然な人間の感情です。
ほとんどの恋愛は多かれ少なかれ infatuation からはじまるものだと思います。
英語にこういう言葉もあります:「infatuationを知らない者は「love」できない」
True Love はそう簡単に見つかるものではありません。
しかしあなたにぴったりなお相手はどこかにいます。

Kris Gage

We like to differentiate between “being in love with” and “loving” someone. But “being in love with” is infatuation, and infatuation means nothing in getting real love.
So if what you want is real love, then “how to” is all that matters.
You “know” because you decide. It’s love when you do it. All the time.

Semir Zeki

When you look at someone you are passionate about, some areas of the brain become active. But a large part is de-activated, the part that plays a role in judgment.
Brain scans have also shown the area of the brain that controls fear, and another region involved in negative emotions, close down.

岸政彦

私たちは、他の誰かと肌を合わせてセックスしているときでも、相手の快感を感じることはできない。抱き合っているときでさえ、私たちは、ただそれぞれの感覚を感じているだけである。

朝日真奈

なぜ恋人がいない若い世代が多いのでしょうか。その要因を心理分析してみましょう。
ひとつは「相手に近づけない心理的距離感」が関係しています。これは、心理学ではヤマアラシに例えられます。ヤマアラシは、寒さに耐えるために体を寄せ合いお互いに近づこうとします。しかし、お互いの針が刺さってしまうため、なかなか近寄れません。つまり、近づきたいけれども傷つくのをおそれて、一定距離以上は近づけない心理のことを「ヤマアラシジレンマ」と言います。つまり、ほど良い距離感が分からず、傷つくことに臆病な「ヤマアラシジレンマ」状態の若い世代が増加していることが考えられます。
もうひとつは、「結婚しないなら、恋愛しなくても良い。無駄な時間とお金を使いたくない…」という考え方。それは、驚くことに女性ばかりではなく、20代前半の男性からも聞きます。最初から上手くいくと良いのですが…。初恋の人と結婚する人は少ないですよね。時短レシピ、時短生活、時短勤務のように「時短恋愛」を求めていませんか。それは、まさに「恋愛の効率化現象」。結婚という結果に繋がらないものには努力をしない、と考える人が増えているのかもしれませんね。

永谷綾子

そうだったんだ、私の身体と心にはたくさんの愛がめぐっている。
それはもちろん 周りの人も同じ。みんな愛だらけの人。
こんなに自分勝手に生きてきた私なのに 
みんな、すごく温かな愛で包んでくれていたんだ・・・
目に見えないからと切り捨てたたくさんの愛があって、
幸せなことに、私の命を生かしてくれていたんだ。
なんてこった!

Juan Ruiz

Aquí dize de cómo fué fablar con Doña Endrina el Arçipreste.
653  Ay, Dios! Quán fermosa viene Doña Endrina por la plaça!
   Qué talle, qué donaire, qué alto cuello de garça!
   Qué cabellos, qué boquilla, qué color, qué buenandança!
   Con saetas de amor fiere quando los sus ojos alça.
654  Pero tal lugar non era para fablar en amores:
   a mí luego me venieron muchos miedos e tenblores,
   los mis pies e las mis manos non eran de sí señores,
   perdí seso, perdí fuerça, mudáronse mis colores.

University of Minnesota

Extradyadic romantic activity (ERA) includes sexual or emotional interaction with someone other than a primary romantic partner. Given that most romantic couples aim to have sexually exclusive relationships, ERA is commonly referred to as cheating or infidelity and viewed as destructive and wrong. Despite this common sentiment, ERA is not a rare occurrence. Comparing data from more than fifty research studies shows that about 30 percent of people report that they have cheated on a romantic partner, and there is good reason to assume that the actual number is higher than that.
Although views of what is considered “cheating” vary among cultures and individual couples, sexual activity outside a primary partnership equates to cheating for most. Emotional infidelity is more of a gray area. While some individuals who are secure in their commitment to their partner may not be bothered by their partner’s occasional flirting, others consider a double-glance by a partner at another attractive person a violation of the trust in the relationship.

Linda and Charlie Bloom

It’s “la difference” that makes relationships edgy, dynamic, exciting and a little scary. There is of course, a fine line between “a little scary” and frightening. And there is a fine balance between having enough danger in a relationship to make it stimulating and to keep it from dying from a lack of excitement.