今度の開戦のはじめに我が陸海軍のもたらした勝利は、日本民族にとつて實に長いあひだの夢であつたと思ふ。即ち嘗てぺルリによって武力的に開国を迫られた我が國の、これこそ最初にして最大の苛烈極まる返答であり復讐だつたのである。維新以來我ら祖先の抱いた無念の思ひを、一擧にして晴すべきときが來たのである。
今度の開戦のはじめに我が陸海軍のもたらした勝利は、日本民族にとつて實に長いあひだの夢であつたと思ふ。即ち嘗てぺルリによって武力的に開国を迫られた我が國の、これこそ最初にして最大の苛烈極まる返答であり復讐だつたのである。維新以來我ら祖先の抱いた無念の思ひを、一擧にして晴すべきときが來たのである。
似和爲貴
by 亀井勝一郎
文藝
昭和17年1月號