近藤誠

  • 成人病の真実高血圧症「三七〇〇万人」のからくり
    基準値を変えただけで大量の「病人」が出現した
  • コレステロール値は高くていい
    高すぎると危ないが、低すぎるのはもっと危険
  • 糖尿病のレッテルを貼られた人へ
    症状がないのに糖尿と診断されたらどうする?

なぜ定期健診をうけると、人は不幸になるのか。なんでもないのに「病気」や「異常」のレッテルを貼られてしまうことが原因です。つまり、定期健診で検査する項目の多くには「基準値」があり、健常人でも5%が「基準値外」になるように値が定められています。それで多数項目を検査したら、こういうことになります。
たとえば一〇項目を検査した場合には、少なくとも一項目が「基準値外」と診断される人が40%も生じることがわかります。そして30項目も検査したら、少なくとも一項目が「基準値外」と診断される人は78%。
これが、人間ドックで8割以上もが「病気」や「異常」のレッテルを貼られてしまう原因です(別の理由は、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症に関する基準値を低く定めすぎているからです)。
基準値は、それを超えた人のなかから精査によって、本当に病気の人をみつけるための出発点であって、基準値を超えたことイコール病気でも異常でもありません。しかし、受診者はそうは思わない。「基準値外」と聞いたら、「病気」だ「異常」だ「不健康」だと思ってしまう。なんでもないのに不健康だと思いこまされ、それからの日常を、意気があがらない状態で過ごさねばならなくなる。これが不幸でなくてなんでしょう。

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