グレン・S・フクシマ

どの国でも、歴史は歴史学者が議論することであり、政治家が過度に言及すると、外交上の問題になる危険性がある。
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(一年前の安倍首相の靖国参拝に対し、在日米大使館が「失望した」との声明を出した。その経緯は。)
ワシントンから在日米大使館に届いた文案には、結構厳しい表現がいくつかあって、「very disappointed」というものもあった。首相の突然の参拝には、ワシントンは困惑した。
検討した結果、日本は非常に大事な同盟国でもあるので、「very」は言い過ぎだという結論になり、「disappointed」に落ち着いた。
「disappointed」という言葉を「失望」と訳したのは、表現が強すぎる、「残念」という言葉を当てるべきで、あれは誤訳だという意見が日本にある。
私がワシントンと東京の米政府関係者から聞いた話では、日本語ができる米政府の担当者と、在日大使館のスタッフの間でよく吟味し、議論した結果、「残念」は弱すぎると判断し、「失望」という訳語にした、ということだ。

One thought on “グレン・S・フクシマ

  1. shinichi Post author

    日本の経済再生を 安倍内閣への期待と懸念 フクシマ氏に聞く

    東京新聞 核心

    (2014年12月26日)

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