遠藤周作

視線の向こう、ゆるやかに河はまがり、そこは光がきらめき、永遠そのもののようだった。 …
「信じられるのは、それぞれの人が、それぞれの辛さを背負って、深い河で祈っているこの光景です」と、美津子の心の口調はいつの間にか祈りの調子に代わっている。「その人たちを包んで、河が流れていることです。人間の河。人間の深い河の悲しみ。そのなかにわたくしもまじっています」

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