中野の閑静な住宅街に建つれんが造りの「東京子ども図書館」は、全国でも数少ない子供のための私設図書館だ。『クマのプーさん』などの翻訳者として知られる石井桃子さん(1907~2008年)らが主宰した4つの家庭文庫を統合して昭和49年に設立、今年で40周年を迎えた。
「40年続けてこられたのは奇跡的なことです。先に何が待っているかということを知らず、子供のための図書館をつくりたいというだけで始めてしまったから。今思うと、非常に幸運でした」。同館理事長で、「くまのパディントン」シリーズなど児童書の翻訳者としても知られる松岡享子さん(79)は笑顔で振り返る。
同館の前身は、主婦だった土屋滋子さんが世田谷区と中央区に開いていた土屋児童文庫、石井さんのかつら文庫(杉並区)と、松岡さんの松の実文庫(中野区)だ。「家庭文庫では主宰者に何かあったらやめなければならない。そうならない図書館をつくりたい」と考えた石井さんらが昭和46年に「東京子ども図書館設立準備委員会」を発足。3年後、2DKのアパートに誕生した同館は平成9年に現在の姿になった。
東京子ども図書館
http://www.tcl.or.jp/
「東京子ども図書館」40周年 理事長・松岡享子さん
希望ある未来、伝える「お話」
http://www.sankei.com/smp/life/news/140901/lif1409010011-s.html