オリヴァー サックス

火星の人類学者創造性にはきわめて個人的なものという特徴があり、強固なアイデンティティ、個人的スタイルがあって、それが才能に反映され、溶け合って、個人的な体と形になる。この意味で創造性とは創りだす事、既存の物の見方を打ち破り、創造の領域で自由に羽ばたき、心の中で完全な世界を何度も創りかえ、しかもそれを常に批判的な内なる目で監視することを指す。

2 thoughts on “オリヴァー サックス

  1. shinichi Post author

    火星の人類学者

    by オリヴァー・サックス

    translated by 吉田利子

    全色覚異常の天才画家、激しいチックを起こしながら巧みに執刀するトゥレット症候群の外科医、みずからを「火星の人類学者」と感じる自閉症の動物学者……『レナードの朝』で世界中を感動させたサックス博士が、患者たちの驚くべき世界を温かい筆致で報告し、全米ベストセラーとなった医学エッセイの最高傑作。

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  2. shinichi Post author

    職業としての小説家

    by 村上春樹

    オリジナリティーとは何か?

    これは答えるのがとてもむずかしい問題です。芸術作品にとって、「オリジナルである」というのはいったいどういうことなのか? その作品がオリジナルであるためには、どのような資格が必要とされるのか? そういうことについて正面からまともに追求していくと、考えれば考えるほどわけがわからなくなってくる、というところがあります。

    脳神経外科医のオリヴァー・サックスは、『火星の人類学者』という著書の中で、オリジナルな創造性をこのように定義しています。

    創造性にはきわめて個人的なものという特徴があり、強固なアイデンティティ、個人的スタイルがあって、それが才能に反映され、溶けあって、個人的な身体とかたちになる。この意味で、創造性とは創りだすこと、既存のものの見方を打ち破り、想像の領域で自由に羽ばたき、心のなかで完全な世界を何度も創りかえ、しかもそれをつねに批判的な内なる目で監視することをさす。

    まことに要を得た、的確で奥深い定義ですが、しかしそうきっぱりと言われてもなあ……と思わず腕組みしてしまいます。

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