高野秀行, 清水克行

TakanoShimizu外国人がイスラム過激派に狙われる本当の理由
ソマリアの内戦と応仁の乱
未来に向かってバックせよ!
信長とイスラム主義
伊達政宗のイタい恋
江戸の茶屋の娘もミャンマーのスイカ売りの少女も本が好き
独裁者は平和がお好き
妖怪はウォッチできない
アフリカで日本の中古車が売れる知られざる理由
今生きている社会がすべてではない

現代ソマリランドと室町日本は驚くほど似ていた!
人々の心の動きから法体系まで、こんなにも似ている社会が時空を超えて存在したとは!

2 thoughts on “高野秀行, 清水克行

  1. shinichi Post author

    世界の辺境とハードボイルド室町時代 カスタマーレビュー

    Amazon

    http://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1IAHA9NFRA2VZ/ref=cm_cr_pr_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4797673036

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    stars-5-0時間と距離を超越した知的好奇心満喫の傑作トーク
    投稿者 INAVI

    本書は、秘境ルポをメインとしたノンフィクション作家と、日本中世史をメインに活躍をテレビにまで広げる研究者の、対談を仕立てた本。
    室町時代中期の無茶苦茶な出来事に興味を持つ私は、このタイトルで購入したのだが、著者二人の異種格闘技をマッチングしたのが、柳下毅一郎と分かった時点で、自分の選球眼に狂いなしとうれしくなった。

    本書は、とても変わった本だと思う。多くの人には縁遠い(日本人にとっての)秘境の人々の思考や暮らし方と、多くの者にとって知る由もない中世の日本人の生き方に、共通項を見出して、秘境また過去の、私達とは全く違う存在に理解を示していく内容は、個人的には興味深く好奇心をそそられて止まないが、その前提として中世やイスラームへの基礎教養は必要なので、万人受けする内容ではないだろう。
    しかし、一方で二人のトークは自由闊達で、後半では互いの前半生や現代日本談義がメイントピックスになっている。もはや、タイトルと関係ないじゃんということなかれ、こうした周縁部分を含めて、この本で二人が伝えたいことは成り立っているのだから。そして、二人の前半生や現代日本への認識が実に面白いので、本書前半の知識教養の乱れ打ちがしんどいかたは、5章・6章から読むのもよいかもしれない。

    本書の魅力を二つ挙げるなら、まずは著者二人の博覧強記である。一方がイスラームでのコーヒーでのバッドトリップをいえば、他方は日本でのタバコ中毒死をあげ、そして、なぜ日本では大麻吸引が起きなかったのか、そしてもしかしたら幕府が大麻禁止に難儀したのではと、想像をたくましくしていくところが醍醐味。一歩間違えれば、歴史好きあるいは旅好きの素人の妄想談義なのだが、二人の知性と知識は決して対談のレベルを下げずに、話を展開させていく。
    もう一つは、知らないことを知ろうとする探求心だろう。なんでも簡単に分かる時代だが、分かれることは実は浅く広いだけ。二人の著者は、決して分かりきることはないソマリ人あるいは室町武士について、知り尽くしたい一心で、異種格闘技を繰り広げる。この知的探求心の果てなきプロレスこそが、本書の面白さの原動力だろう。

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    stars-5-0トリビア本ではない知的な手触り、やりとりが発散していく心地良さ
    投稿者 いせむし

    たいへん面白く読みました。
    知的好奇心を満たしてくれました。

    辺境を取材するノンフィクション作家と日本中世を専門とする歴史学者の対談本。
    とにかく話題が豊富。
    古今東西を選ばずに高野秀行と清水克行の対談は盛り上がります。
    政治、宗教、経済、文化そして生活。
    応仁の乱とソマリの内乱の相似性から始まり、ピストルと刀、仏教と飲酒、口ひげとあごひげ、徳川幕府と戦国時代の終焉、江戸時代の飢饉。。。

    どんどん対談ははずみ、テーマが広がります。
    最後には互いの取材論まで開陳。
    知的なやりとりが発散していく心地良さがあります。

    特に印象に残ったものはこんなところです。
    殺人を犯してはならない理由は中世日本であれば、人を殺したら、自分や家族も同じ目にあうから。
    日本人が中古品をいやがるのは、なんというか物に魂が乗り移るように感じるから。

    トリビア本ではない、知的な手触りを感じます。
    読書好きの方にはお勧め。

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    stars-5-0その時代を、実際に覗いてみたい
    投稿者 nyankorofu

    まず、タイトルが面白い。「ハードボイド」と「室町時代」の組み合わせ。それと、山口晃の日本画。本の帯には、現代ソマリランドと日本の室町時代が、似ているとの指摘。
    なんだか面白そうなので、すぐさま本屋で手に取って、レジへ直行。

    日本中世史の清水克行と冒険ライターの高野秀行の対談。すらすら読めて、横道にそれた雑談が面白かった。
    室町時代(というか、対談で出てくる時代は、源平から江戸時代の元禄まで・・主に戦国時代)の人々の考え方と、ソマリア、ミャンマー、シリアなどの人々の暮らし方、宗教(イスラム)の考え方などが、話題になっていて、いろいろ考えさせられる。傍目では、混沌としていながら、実は彼らなりの秩序があるという・・世界。独裁国家や、軍事政権もそこで暮らせば幸せなのだ。
    第五章は、二人がどんな学び方をしてきたのかが話題となっていて、それなりに楽しめる。

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    stars-5-0徳川綱吉以降の法治国、日本に生きている私たちに、もっと原初の社会を考えさせる書なのです
    投稿者 駄々麻呂

    中野区役所の横に、かつての犬屋敷を記念する犬たちのブロンズ像があるのだが、文治主義を推し進めた御犬様将軍・綱吉のこともこの本の中で述べられているのになぜか納得する。時代小説で圧倒的に室町時代が少ないのは、現在日本人と世界とのギャップにあるということがはっきり分かる本。
    法治、法律以前の、言葉やにらみ合い、拳骨から蹴り、脇差、太刀、薙刀、槍に至る(まだ鉄砲は渡来していないから)基本的暴力による世の中の支配運営などが、ある意味健全に、融通無碍に運用されていた鎌倉、南北朝を経由して来た室町時代の姿が語られる。
    室町時代のノンフィクション作家なら、現在のソマリアやISに行っても、ドイツを目指すシリア難民の群に混じっても、室町日本との共通性を発見できるだろうし、深い共感も出来るだろう。
    なにせ自由平等博愛のフランス革命以前の時代、マルクスの「資本論」以前の時代なのだ。基本的人権をアピールする前に、自分の身を自分で守る得物を手にしていないと生きていけない時代だったのである。
    如何にに私たちの日常の価値観が、時代のバイアスに影響されているか、イデオロギーや先入観に振りまわされているか、はっきり認識できると思う。

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    stars-1-0ソマリ人と日本史に対する冒涜である。
    投稿者 本が好き

    この本の著者は「人が行かない所」に行って、その見聞を書いて、エンタメノンフィクションと称している。お一人で勝手に面白がっているのは良いし、それを面白がる読者がいても一向に構わない。しかし、それは「人が行かない所」は「検証出来ないという事」と表裏一体である事をよく理解しつつ、楽しんで読むならばという前提があって成り立つことである。本書は、そこを踏み外している。本職の歴史家?を引っ張り出すような話では無いのである。清水氏が「ソマリ語」が出来て、著者の言う事を現地で確認できたら、この本は成立するのだけれど。一方的に、あれもこれも室町時代に似ていると言われてもね。北側の朝鮮と昭和20年までの某国がそっくりだと書いても、あながち間違いでは無いが、それにどれだけの意味があるのかな?と思う。時代背景が違いすぎて比較する意味が無いのである。それと一緒で、現代のソマリ人社会と室町時代の社会を、真面目に比較する事に、何ら意味は無いと思いつつ読了した。戦国時代、平気で首を切って殺人をしたのと現代のISが似ていると言って間違いないだろうが、だからといってそれになにか意味があるだろうか?。なんだか、「賞」を貰ってからの著者は「権威」を気取っているように思う。ま、本書は私にとって、おもしろくなかった。そういう事です。
    ソマリ人を「適当に面白く語るのは」ソマリ人に対する冒涜であるし、ソマリ人を室町時代になぞらえて、日本史のプロに語らせるのは、日本史に対する冒涜であると思う。

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