ちきりん

知識とは「過去の事実の積み重ね」であり、思考とは「未来に通用する論理の到達点」です。
 
一部の「知識」は「過去において、他の人がその人の頭で考えた結果」です。それを私たちは書籍や講義、報道などを通して学んでおり、自分の頭の中に知識として保存しています。なにかを考えろ、と言われた時にそれを頭の中から取り出してくるのは、「他人の思考を頭の中から取り出してくる行為」に他なりません。
他人の思考は正しい場合もあれば間違っている場合もあります。時代や背景となる環境条件が異なる場合も多いでしょう。さらに危険なのは、それが「大きな権威をもつ、メディアや専門家の思考」である場合です。
その分野の大家と呼ばれる人が書き、歴史の判定を受けて長く生き残っている名著には、多くの場合「答え」が書いてあります。そんなすばらしい「答え」を目にしても、それに引きずられずに「自分で考える」ことができなければ、私たちは未知の世界に向けて新たな思考を掘いていくことができません。
現代社会ではマスメディアの影響も絶大です。「金髪に鼻ピアス、下着が見えるほどずり下がった穴だらけのジーンズを履いた別代の若者」を見て、「信頼できそうにない」と思う人は少なくないでしょう。
けれどその人は、そういう風貌で実際に信頼できない若者を現実に一人でも知っているのでしょうか?「こういう風貌をしている若者は信頼できない」という知識を、. ドラマや断片的なニュースからすり込まれているだけではないでしょうか?

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