コミュニケーションでは、「共感力が大切」と言います。
「この人だったらわかってくれる」「この人だったら信頼できる」と感じてもらえる関係とは、言い換えれば、「この人だったら話を聞いてくれる」「この人には何でも話ができる」「この人とは心と心が通い合っている感じがする」という関係のこと。この関係を作り上げていく必要があります。
本当の共感とは、「あなたの気持ち、わかります」ではなく、本当に意味で「共に通じ合っている」感覚です。これは、先の「『共感力』を磨くためのコミュニケーション能力」にある内容を繰り返し練習することで得ることができます。
友人や知人と、職場の同僚や部下と、周囲の方々と、「この人だったらわかってくれる」「この人だったら信頼できる」という関係が築けたら、多くの人をサポートできる存在になれ、いい関係の中で仕事や日常生活がおくれるような気がします。
コミュニケーション能力における「共感力」の本当の意味
by 竹内義晴
http://www.shigotonomirai.com/real-mean-empathy
「共感力」の本当の意味
コミュニケーションでは、「共感力が大切」と言います。
共感力を辞書で調べてみたら、「他人の意見や感情などにそのとおりだと感じること。また、その気持ち」とありました。一言でまとめれば、「あなたの気持ち、わかります」というイメージでしょうか。
確かにその一面もあるかもしれませんが、実は、共感力の本当の意味は、少しニュアンスが違うことをご存知ですか?
日本コミュニケーショントレーナー協会の椎名規夫さんは、ご著書『人を動かす力』の中で次のようにおっしゃっています。
また、
その理由として、
とおっしゃっています。
「共感力」を重視した話の聞き方
以前、東日本大震災で被災した方のメンタルケアをされている臨床心理士の方がラジオに出演されていました。
その方はこう言っていました。「今、被災地では、心に大きな負担を抱えている方がたくさんいらっしゃる。そのためにも、もし、知人に被災された方がいたら、ぜひ話を聞いてあげて欲しい。それだけでずいぶん楽になれる」と。
続けて、アナウンサーの方が、「話を聞く際のポイントはありますか?」とたずねました。
すると、臨床心理士の方はこう言いました。「よく、話を聞くときに”共感が大事だ”と言います。一般的に共感と言うと、”あなたの気持ち、わかります”と言いますが、本当の共感はそうではありません。もし、被災した方が”辛いんです”と言ったら、”その辛い気持ち、わかります”と言うのではなく、”今、辛いんですね”……つまり、こちらがどうかではなく、相手の気持ちに寄り添い、確かめるように話を聞くことが、本当の共感なのです」。
「共感力」を磨くためのコミュニケーション能力
この手法は、コーチやカウンセラーが身につける基本的な傾聴スキルで、相手の話を「繰り返す」という技法です。オウムのように繰り返すので、「オウム返し」または、専門用語では「バックトラック」と呼ばれています。
「この人だったらわかってくれる」「この人だったら信頼できる」と感じてもらえる関係とは、言い換えれば、「この人だったら話を聞いてくれる」「この人には何でも話ができる」「この人とは心と心が通い合っている感じがする」という関係のこと。この関係を作り上げていく必要があります。
融合する―本当に共感し合えたときに起こること
ここからは、やや感覚的な内容なので、言葉ではすべてを表現できませんが、相手と本当に共感し合える――心と心が通じ合った状態になる――と、相手が言葉にしていないことでも、「この人は、本当は○○という気持ちなんだろうな」ということが、なんとなく伝わってくる感じがすることがあります。それはまるで、相手と融合したような感覚です。
そして、感じたことを「ひょっとしたら、本当は○○だと思っているんじゃない?」のように確認してみるとそうである場合が多く、この瞬間に、本当にわかり合えたような経験をよく体験します。
つまり、本当の共感とは、「あなたの気持ち、わかります」ではなく、本当に意味で「共に通じ合っている」感覚です。これは、先の「『共感力』を磨くためのコミュニケーション能力」にある内容を繰り返し練習することで得ることができます。
これは、震災のような大きな災害時だけに言えることではありません。友人や知人と、職場の同僚や部下と、周囲の方々と、「この人だったらわかってくれる」「この人だったら信頼できる」という関係が築けたら、多くの人をサポートできる存在になれ、いい関係の中で仕事や日常生活がおくれるような気がします。
(sk)
なにかが狂っている。
練習して「共感する能力」を持ち、それを使って人とわかり合い、人を動かす。
そんなことを書いて、なにもおかしいと思わない人がいる。
グローバルな世界のなかで、変に孤立している日本人がいる。
人を動かす。
人とわかり合う。
なんて嫌な、なんと気持ち悪い言葉だろう。
共感とは、決してそんな言葉ではない。「自分のため」ばかり考えている人にはわからないかもしれないが、「相手の立場に立つこと」が共感の「もと」なのだ。相手の立場に立てば、他人の意見や感情なども少しはわかり、その立場から考えたりものごとを決めたりできる。
共感を自分のためにしか使わない人は、相手の意見を聞かず、自分のためだけに物事を決める。
まさに180度、方向が違うのだ。