バランスの上に成り立つ社会

武士が力を握っていても
土地を耕すのは百姓で
商いをするのは町人で
武士は威張っているのだけれど
百姓のおかげで米を食べ
町人から金を借りて暮らす
武士がどんなに偉くても
武士の上には武士がいて
一番上の将軍の上には
見たことのない天皇がいる
天皇には何の権限もなく
それでも将軍を任命したりする
天皇の財力は微々たるもので
町人の財力とは比ぶべくもない
どんなに力を手にしても
すべてを握ることはない
いろいろな力のバランスの上で
うまいこと成り立っている私たちの社会には
絶対的な神はいない

絶対的な神のいる社会には
絶対的な権力者がいて
絶対的な宗教と
絶対的な哲学と
絶対的な法律が
がんじがらめに人を縛る
人権という価値は絶対で
人道という考えも絶対で
でもそんな絶対のもろもろは
私たちの社会には似合わない

借り物の価値や考えや
敗戦の産物の憲法や
古びて錆びた法律で
住みづらくなった社会が
住みやすい社会になる日が
来るのだろうか

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