変化

僕たちのいる社会が 粉々に
砕け散ってゆくのが見える
でも急ぎ足の人々は それを
見ようとはしない

僕たちは道に迷ってしまい
混乱し ぼんやりとしている
でも人々は 迷っていることにさえ
気づかずにいる

昔の人たちが そうだったように
ただ 静かに生きていたい
誰にも 追い立てられずに
誰からも 自由でいたい

こころを感じない会話
愛を感じない視線
みんな 知らない人のよう
そう 何かが おかしい

理解のできないことに
夢中になっている人たちが
愛を囁くとき 僕は
限りない孤独を感じる

社会が砕けたあとの場所で
僕たちはみんな 数字でしかない
時空を漂う電磁波のなかでは
もう逃げ場は ない

僕たちを操作しているのは
人なのか 機械なのか
ルールを決めているのは
ロジックなのかアプリなのか

神を望んでも 神は現れず
奇跡を待っても 奇跡は起きない
僕たちが知っていたことは
無重力のなかで 散り散りになる

僕たちは空の上の雲のように
ぼんやりと 漂っている
大切な気持ちは
こころのなかに刻まれている

土地をめぐっての争いは
土地が失われて鎮まり
カネをめぐっての諍いは
カネが意味を失くして鎮まった

奪い合うことすらできない
目に見えない知の時空が
見えない縄で僕たちを縛り
逃げ場のない僕たちを操っている

時空に散らばり隠された
こころのかけらを手がかりに
意味を確かめ 文字を読む
それでも何も見つからない

事実や真実を求めない 多くの人たちは
何も見ようとはしない
でも 君は 微笑んでいる
前を向いて 何かを見ている

君だけが 僕たちの
行く先を 知っているかのようだ
君でいっぱいの僕のこころは
不思議なくらい 暖かく和んでいる

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