AI時代の労働の哲学(稲葉振一郎)

 
人間における生存維持のための活動の内容は、動物の場合のようにあらかじめ定められたものでなく、具体的にどういう活動をして生存の必要を満たすのか、たとえばどこに行って何を食べるのか、食べるものを獲得するために何をするのか、等々に際しては、大きな自由度が村税します。のみならず人間の労働においては、うまくいけば短時間で、少ない労力で生存の必要を満たすことができて、活用できる時間やエネルギーにおいて余剰を生じ、余暇を、つまりより高次な自由の機会を得ることができます。

2 thoughts on “AI時代の労働の哲学(稲葉振一郎)

  1. shinichi Post author

    AI時代の労働の哲学

    講談社選書メチエ

    by 稲葉振一郎

    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000324960

    2019年10月6日「読売新聞」書評/坂井豊貴さん「人工知能は恐ろしい?」
    2019年11月9日「朝日新聞」書評/呉座勇一さん「〈人〉か〈物〉か、二分法がゆらぐ」
    「東洋経済」2019年11月23日号 書評/河野龍太郎さん「AIで雇用喪失は杞憂だが、疎外、所得偏在は加速か」

    この本は(…)人工知能技術の雇用・労働条件・生活に対するインパクトについて考察してみよう、というものではありません。むしろそこから一歩引いて、「我々は人工知能技術の発展が社会に、とりわけ労働に及ぼすインパクトについて考える際に、どのような知的道具立てを既に持っているのか?」を点検してみる、というところに、本書の眼目があります。――「はじめに」より

    AI(人工知能)が人間の仕事を奪う――これは「古くて新しい問題」です。
    馬車は自動車になり、工場はオートメーション化される。
    技術(テクノロジー)は、いつの時代も仕事を変えるのです。
    では、AIのインパクトは、これまでの機械化と同じなのか、決定的に違うものなのか。
    「労働」概念自体から振り返り、資本主義そのものへの影響まで射程に入れて検討します。

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