アルベルト・ザッケローニ

選考の過程では自分たちのことばかりではなく、対戦相手の分析も入念にやるつもりです。相手に対してどういうチャンスをつくれるのか、どういうことでこちらがピンチになるのか、あらゆることを想定しながら、どんな困難な状況に陥っても乗り越えられるメンバーを、これまでの貢献度と現時点でのパフォーマンスも吟味しながら、すべてを踏まえて最終決断を下すつもりです。大げさではなく、私の決断が選手たちのサッカー人生を左右することになります。選んだ瞬間に選ばれなかった選手が生まれてしまう。失格の烙印を押された気持ちになる選手もいるでしょう。決してそうではありません。これだけは決める前からハッキリしています。日本にはワールドカップ出場に値する選手が23人以上、確実にいます。できることなら皆、連れていきたい。しかし、それはできない。決断する作業は嫌いではありません。決断すべき重要な局面に立たされることを幸せに思うタイプの人間でもあります。そんな私でも、心の中に重苦しい感情が少しずつ澱のようにたまり始めています。

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