なにを信じる

あたかも現実かのように書かれた創作が
記録として残され
現実ではない記録が
みんなの記憶を書き換える

都合のいい記憶は 記録として残り
都合の悪い記憶は なかったこととして消える
記録はいつのまにか あったことのすべてになり
正しくもない記録を 多くの人が信じる

記憶が人々を引き裂き
記録が人々を繋ぐ
書物のなかの文字だけが選び取られ
事実に近い記憶を隅に追いやる

塗り替えられた記憶と 作られた記録とが
渦となって 猛威をふるい
希望や願いを飲み込んで
どこかへ流れてゆく

記憶や記録を 信じてはいけない
目の前にいる人を 信じよう
君を信じる
僕を信じる

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