サピエンス減少(『世界』2021年8月号)

特集:サピエンス減少――人類史の転換点

有史以来、われわれ人類は、増加しつづけてきた。パンデミックや世界戦争による一時的な減少や停滞はあったにせよ、人類史の基調は、つねに人口増であった。政治と経済、文化、社会システムのほぼすべて――つまり私たちの世界観は、人口が増え続けることを前提に構築されてきたといえる。だが、まもなく世界人口はピークを迎え、減少局面に転ずる。それはあらゆるものが縮減していく世界であり、われわれの世界認識そのものに根本的な変容をもたらすだろう。人口減少は、もはや不可避の未来である。ここで問われるべきは、その縮減する世界をどうデザインするのか、にほかならない。人類史的な転換点をどう迎えるのか。減少へと向かう”最突端”に位置する日本社会から、考察を深めていきたい。

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