太陽が死んだ後の太陽系(University of Tasmania)

太陽はいずれ核燃料(核反応に必要な水素)を使い切って赤色巨星への道をたどり自滅してゆく。太陽から遠い軌道を回る木星や土星などの惑星はこの時、巻き込まれて消滅せずに生き延びる可能性がある。しかし、残念なことに地球は、太陽にかなり近いことから、太陽とともに生涯を終えることになる。

2 thoughts on “太陽が死んだ後の太陽系(University of Tasmania)

  1. shinichi Post author

    太陽が死んだ後、太陽系はどうなるのか? 6000光年先の惑星が示すもの

    NewSphere

    https://newsphere.jp/technology/20211022-2/

     ハワイの天文台から深宇宙を観測したところ、主星である恒星を失ってなお生き残っている惑星の存在が確認された。科学者たちは太陽系においても、太陽が寿命を終えた後も一部の惑星が存続し続けるのではないかと考えている。

    ◆6000光年彼方のガス惑星

     本研究は豪タスマニア大学で太陽系外惑星を研究するジョシュア・ブラックマン研究員らのチームが行った。その成果が学術誌『ネイチャー』に掲載されている。

     論文によるとブラックマン研究員たちは、ハワイのマウナケア山頂に位置するケック天文台にて、光学および近赤外線望遠鏡による観測を行った。結果、天の川の中央付近、地球からおよそ6000光年の位置に、木星に似たガス惑星を発見した。

     さらにこのガス惑星は、白色矮星の周囲を周回しているとみられている。白色矮星とは、いわば「死んだ」恒星の姿だ。一定の質量をもった恒星が内部の核融合に必要な水素を使い切ると、温度が低く膨張した赤色巨星を経て、恒星の進化の最終段階のひとつである「白色矮星」となる。

     これまでも恒星の進化段階に関しては知られてきたが、白小矮星の周囲で生き残っている星はほとんど観測例がなかった。今回の観測結果は、主星が死んだ後も惑星が生き残る場合があることを示した貴重な例となる。

    ◆太陽系に当てはめると

     地球から遠く離れた星についての発見ではあるが、ブラックマン氏ら研究チームはこのパターンを太陽系にも当てはめることができる可能性があると考えている。太陽もいずれ水素を使い切って赤色巨星への道をたどると考えられているが、太陽から遠い軌道を回る木星や土星などの惑星はこの時、巻き込まれて消滅せずに生き延びる可能性があるという。

     氏は「この証拠は、十分に遠い距離を周回する複数の惑星が、星(主星)の死後も存続する可能性があることを示すものです」「この星系が私たちの太陽系に似ていることを踏まえると、太陽が核燃料(核反応に必要な水素)を使い切って自滅する赤色巨星の段階で、木星と土星が生き延びることを示しています」と述べている。

    ◆地球の運命は

     しかし、残念なことに地球は太陽とともに生涯を終えることになるかもしれない。論文の共著者でもあるNASAゴダード宇宙飛行センターのデイヴィッド・ベネット研究員は、「太陽からかなり近いことから、地球の将来はそうバラ色ではないかもしれません」と述べる。仮に地球から木星や土星への移住を試みたとしても、熱の問題が立ちはだかるという。太陽の膨張で地球は超高温となるが、反面、木星や土星は太陽から遠すぎるため、適切な熱エネルギーを享受できなくなってしまう。とはいえ、太陽はあと50億年程度輝き続けるとされており、直近で心配する必要はなさそうだ。

     6000光年彼方の惑星を観測する今回の研究は、ケック天文台が所有する高性能の観測装置によって可能となった。マウナケア山頂といっても大気の存在により、解像度は10分の1程度にまで劣化する。今回用いられた望遠鏡はレーザーガイド星補償光学システムを備え、人工のガイド星の位置を基準としてこの揺らぎを補正する。ただし、これでも十分な解像度が得られないため、重力マイクロレンズ現象の助けを借りることで精度を向上した。地球から見て2つの恒星が重なるとき、前方の恒星の重力が凸レンズの役割を果たし、後方の恒星の光が増光される。こうして観測された微かな光が、太陽系の未来を占う手がかりとなった。

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  2. shinichi Post author

    A Jovian analogue orbiting a white dwarf star

    by J. W. Blackman, J. P. Beaulieu, D. P. Bennett, C. Danielski, C. Alard, A. A. Cole, A. Vandorou, C. Ranc, S. K. Terry, A. Bhattacharya, I. Bond, E. Bachelet, D. Veras, N. Koshimoto, V. Batista & J. B. Marquette

    Nature volume 598, pages 272–275 (2021)

    https://www.nature.com/articles/s41586-021-03869-6

    Studies have shown that the remnants of destroyed planets and debris-disk planetesimals can survive the volatile evolution of their host stars into white dwarfs, but few intact planetary bodies around white dwarfs have been detected. Simulations predict that planets in Jupiter-like orbits around stars of ≲8 M☉ (solar mass) avoid being destroyed by the strong tidal forces of their stellar host, but as yet, there has been no observational confirmation of such a survivor. Here we report the non-detection of a main-sequence lens star in the microlensing event MOA-2010-BLG-477Lb using near-infrared observations from the Keck Observatory. We determine that this system contains a 0.53 ± 0.11 M☉ white-dwarf host orbited by a 1.4 ± 0.3 Jupiter-mass planet with a separation on the plane of the sky of 2.8 ± 0.5 astronomical units, which implies a semi-major axis larger than this. This system is evidence that planets around white dwarfs can survive the giant and asymptotic giant phases of their host’s evolution, and supports the prediction that more than half of white dwarfs have Jovian planetary companions. Located at approximately 2.0 kiloparsecs towards the centre of our Galaxy, it is likely to represent an analogue to the end stages of the Sun and Jupiter in our own Solar System.

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